バカリズムが脚本を手掛ける映画『ベートーヴェン捏造』(9月12日公開)の新たなキャストが明らかになり、併せて新ビジュアルと特報第2弾が解禁された。

本作は、19世紀ウィーンで巻き起こる音楽史上最大のスキャンダルの真相に迫った、歴史ノンフィクション「ベートーヴェン捏造 名プロデューサーは嘘をつく」(かげはら史帆著/河出文庫刊)を基に実写映画化。監督を務めるのは関和亮。ベートーヴェンへの愛が重すぎる忠実なる秘書・シンドラー役を山田裕貴、シンドラーから熱烈に敬愛されるベートーヴェン役を古田新太が演じる。
耳が聞こえないという難病に打ち克ち、歴史に刻まれる数多くの名曲を遺した聖なる孤高の天才ベートーヴェン。しかし、実際の彼は――下品で小汚いおじさんだった…?世の中に伝わる崇高なイメージを“捏造”したのは、彼の忠実なる秘書・シンドラー。憧れのベートーヴェンを絶対に守るという使命感から、彼の死後、見事“下品で小汚いおじさん(真実)”から“聖なる天才音楽家(嘘)”に仕立て上げる。シンドラーはどうやって真実を嘘で塗り替えたのか?果たしてその嘘はバレるのかバレないのか―?
この度解禁された新ビジュアルで、ベートーヴェンを敬愛するシンドラーの背後に映るのは、シンドラーに疑惑を抱くアメリカ人音楽ジャーナリスト、セイヤー役の染谷将太。ビジュアルでは、セイヤーのシンドラーへ向けた懐疑的な鋭い視線が光る。
さらに、ベートーヴェンが愛した晩年の秘書、ホルツ役に神尾楓珠、ベートーヴェンから寵愛を受ける甥、カール役に前田旺志郎が出演。
そのほか、シンドラーのことが疎ましいベートーヴェンの弟、ヨハン役に小澤征悦。ベートーヴェンの最期に立ち会う旧友、ブロイニング役に生瀬勝久。ベートーヴェンが遺した中でも最も有名な楽曲のひとつ、通称「第九」初演時のコンサートマスター、シュパンツィヒ役に小手伸也。耳の聞こえないベートーヴェンが「第九」初演時に指揮をする際、サポートとして副指揮を担当したウムラウフ役に野間口徹。ベートーヴェンが信頼する友人で、シンドラーが共同で伝記執筆を持ち掛けるヴェーゲラー役に遠藤憲一と、数々のバカリズム作品を彩ってきたキャストが名を連ねている。

キャラクター相関図
併せて解禁された特報第2弾は、民衆が愛した天才音楽家・ベートーヴェンの姿と、秘書のシンドラーに暴言を吐きながら卵を投げつける、パブリックイメージとはかけ離れたベートーヴェンの対照的な姿から始まる。
小汚く下品なベートーヴェンの人物像を崇高な天才音楽家へとでっちあげ、のちに世界中を巻き込む大騒動へと発展させるシンドラーが「彼は英雄であり続けなければいけないんです」と偏った思想を明かす場面や、ベートーヴェンほか周囲のキャラクター達が「あいつちょっとおかしいだろ」、「狂信者」、「怖っ」と次々とシンドラーの歪んだ言動にドン引きする様子が盛り込まれている。
また、シンドラーの嘘に気づき始めたアメリカ人音楽ジャーナリストのセイヤーが「あなたは偽りのベートーヴェン像を広めたんですよ!」と怒りをにじませるシーンでは、真実を追究する様子がスキャンダラスに描かれている。ベートーヴェンに心酔するシンドラーの歪んだ愛はやがて暴走し、嘘で塗り固めた“崇高なベートーヴェン”像を創り上げていく。
なにかを企んでいるかのような狂気的な笑みを浮かべたり、ベートーヴェンへの愛が溢れて思わず顔を覆い照れ笑いをしたりと、様々な顔を併せ持つシンドラーとは一体どんな人物なのか。ベートーヴェンの真実の姿とは、そして、真実はなぜ捏造されてしまったのか?「第九」に乗せて、ベートーヴェンとシンドラーの蜜月関係、ふたりを取り巻く個性的なキャラクター達のカットが連なり、バカリズム節が効いた巧みな会話劇が映し出されている。
冒頭のシンドラーがベートーヴェンから卵を投げつけられ消沈するシーンは、元々は顔ではなく、身体に向けて卵を投げつけられる演出であったが、山田自らの提案によって卵が顔に直撃することとなった。実際に顔中卵まみれになったシンドラーが、ベートーヴェンの横暴な態度に衝撃と同時にショックを浮かべる表情に注目だ。
また本作は、大型LEDディスプレイに背景3DCGを表示し、その前で被写体を撮影するという最先端技術を駆使したバーチャルプロダクションでの撮影を実施。リアルなロケーションのようにバーチャル背景を活用して撮影することで、日本に居ながらにして19世紀のウィーンの世界を再現した。さらに、劇中ではベートーヴェンの珠玉の名曲を惜しみなく使用しており、リアルな映像と映画館の音響で聴くベートーヴェンの楽曲に期待が高まる。
なお、新たなキャストからのコメントも到着した。コメント全文は下記の通り。
キャストコメント
染谷将太(アレクサンダー・ウィーロック・セイヤー 役)
19世紀ウィーンへのお誘いの連絡をいただいたとき、声を上げて「嘘だろ?」と前のめりになり、セイヤー役と聞いた瞬間には「なんてこった」と仰け反りました。大好きなバカリズムさんの台本を開けると、音楽室に写真が貼ってあるような歴史的人物たちが愛らしく人間らしく描かれており、ニヤニヤが止まりませんでした。関監督の新たな挑戦的な撮影方法は、もはやこれこそ映画でしかできない表現なのではと大興奮でした。魅力にあふれる本作の登場人物たちが奏でる壮大な歴史的ノンフィクションを身近に感じられるこの不思議な世界観。ぜひ劇場のスクリーンで観て、サラウンドスピーカーで聴いていただきたいです!
神尾楓珠(カール・ホルツ 役)
題材と脚本にすごく興味が惹かれました。僕自身の撮影日数は少なかったのですが、現代的で今までにないようなセットでの撮影だったこともあって、楽しく参加させていただきました。衣装や髪型にもとてもこだわりを感じました。また、山田裕貴さんと古田新太さんと久しぶりにご一緒できたことも嬉しかったです。きっと新しい発見がたくさんある映画になっていると思うので楽しみにしていてください。
前田旺志郎(カール・ヴァン・ベートーヴェン 役)
裕貴さん、古田さんをはじめ、素敵なキャスト陣との共演にわくわくしてました。また、バーチャルプロダクションで作られた世界での撮影も初めてだったのでどうなるのかと楽しみでした。現場では古田さんが色んな話をされていて、特にANNのパーソナリティを古田さんがやられていた時の話などめちゃくちゃで衝撃的なお話をお聞きできて楽しかったです(笑)シンドラーを中心にベートーヴェンやその家族を描いていくのが大変おもしろく、今までにないベートーヴェンの物語だと感じました。
小澤征悦(ニコラウス・ヨハン・ヴァン・ベートーヴェン 役)
今回オファーを頂いて、バカリズムさん脚本、しかもベートーヴェンの話、なおかつ自分の役どころがベートーヴェンの弟、と言うことで、いろいろ混乱しました(笑)。台本はもちろん面白かったですが、果たしてこのバカリベートーヴェンの世界観を映像化出来るのか、正直想像出来なかったですが、撮影現場に入り、その心配は吹き飛びました。ヨーロッパの映像美、そして古田新太さんのベートーヴェンは、ベートーヴェンにしか見えなかったです。新たなバカリワールド全開!お楽しみに。
生瀬勝久(シュテファン・フォン・ブロイニング 役)
私は、ベートーヴェンの最後を看取る仲の良い友達役だったので仲の良い古田くんを看取るというつもりで演じました。バカリズムさんの脚本は、セリフにしても表現にしてもとっても魅力的で、いくつもアンテナを張り巡らせているので、とても面白いものに仕上がっていると思います。ぜひ劇場でご覧ください。
小手伸也(イグナーツ・シュパンツィヒ 役)
オファーをいただいた際、シュパンツィヒは、“ベートーヴェンより年下ながらヴァイオリンを彼に教えた盟友”とのことで、自分にどこまで演じられるか多少不安はあったんですが、よくよく調べたら“晩年太りすぎてヴァイオリンが弾けなくなった”とあり、ああ人柄採用かと(笑)。現場では、僕はヴァイオリンの練習、野間口さんは指揮、小澤さんは趣味のギターと音楽に囲まれる日々でしたが(笑)、基本的におじさんばかりで心地よかったです。鬼気迫る演奏シーンと、ユルっとした会話シーンの両極を楽しんでいただけたら幸いです!
野間口徹(ミヒャエル・ウムラウフ 役)
ベートーヴェンについては漫画で読んだ程度の知識しかありませんでしたが、シンドラーによって捏造された人間像だったのかもしれないと思うと恐怖を感じます。ただ、バカリズムさんの脚本で古田新太さんが作り上げたベートーヴェンは、腹立たしくも愛おしい人間になっています。きっと皆さんが知っているベートーヴェンより好きになって頂けると思います。
遠藤憲一(フランツ・ゲルハルト・ヴェーゲラー 役)
ベートーヴェン。初めて心奪われたのは17歳の時。交響曲第3番エロイカ。衝撃的だった。苦悩から歓喜のベートーヴェンの世界に涙した。そして今回、この作品の話をいただいた。大好きなベートーヴェンの話だからやりたいけど、、、ドイツ人の役だという。舞台ならまだしも映画だ。どういうこと???まぁでもバカリズムさん脚本と関監督、この二人なら間違いなく何かやってくれるはず。そして撮影当日。なんかしれっと全部成立していた!楽しい作品になっています!
ストーリー
耳が聞こえないという難病に打ち克ち、歴史に刻まれる名曲を遺した偉大なる天才音楽家、ベートーヴェン。しかし、実際の彼は――下品で小汚いおじさんだった…!?世の中に伝わる崇高なイメージを“捏造”したのは、彼の忠実なる秘書のシンドラー。どん底の自分を救ってくれた憧れのベートーヴェンを絶対に守るという使命感から、彼の死後、そのイメージを“下品で小汚いおじさん(真実)”から“聖なる天才音楽家(嘘)”に仕立て上げる。次第に聖なる天才像が浸透していくが――。
『ベートーヴェン捏造』
出演:古田新太、染谷将太、神尾楓珠、前田旺志郎、小澤征悦、生瀬勝久、小手伸也、野間口徹、遠藤憲一 ほか
原作:かげはら史帆「ベートーヴェン捏造 名プロデューサーは嘘をつく」(河出文庫刊)
脚本:バカリズム
監督:関和亮
製作:Amazon MGMスタジオ 松竹
制作プロダクション:松竹
制作協力:ソケット
企画・配給:松竹
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9月12日(金)全国公開
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