『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』本編映像解禁!「僕に何をしたか覚えていますか?」プレナ神父と30年ぶりの対決

ベルリン国際映画祭 銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞したフランソワ・オゾン監督による最新作『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』が7月17日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開となる。

この度、本作の本編映像が解禁された。

今やフランス映画界のトップにして最先端に立つオゾン監督が、初めて実話に基づいた物語に挑む。ヨーロッパを震撼させた神父による児童への性的虐待事件の真相に迫ったのだが、事件の裁判は現在も係争中で、渦中の神父から上映差し止めを訴えられたという、オゾンの華麗なるキャリアでは前代未聞の事態へと発展した話題作が、ついに日本にも旋風を巻き起こす。

この度解禁されたのは、子供のころに性被害を受けたアレクサンドル(メルヴィル・プポー)が加害者のプレナ神父と30年ぶりに対面し「僕に何をしたか覚えていますか?」と問いただす緊迫感あふれるシーン。

今は妻と子と幸せな家庭を築くアレクサンドルは、プレナ神父が聖職者を続けていることを知り、「新たな悲劇を食い止めたい」と、告発を決意。

教会の計らいで、30年ぶりにプレナ神父と対面することになったアレクサンドルは、プレナ神父の姿を見た瞬間に思わず物陰に隠れてしまい、自分の傷はいまだ血が噴き出したままであることを自覚する。そんなアレクサンドルに平然と握手を求めて「立派な家庭を築いたようだね」と言いのける神父とのあまりの温度差に、観客はうすら寒さを覚えるシーンだ。

意を決し「僕に何をしたか覚えていますか?」と問い正すアレクサンドルは、勇気を奮って思い出したくもない事実を声にする。アレクサンドルの高まる緊張とは裏腹に、神父は「私の人生の汚点であり、苦痛なのだよ」と悪びれずに言い放つ。「あなたの苦痛?僕はどうなる?」と沸き立つ怒りを抑えられなくなったアレクサンドルは「僕を性的に虐待したと公に認める用意は?」と静かに宣戦布告をするのだった。

この撮影を振り返り、メルヴィル・プポー「このシーンで難しかったのは、プレナの前で崩れ落ちないようにこみ上げてくる感情を抑えることでした。アレクサンドルの人生、そしてすべての信者の人々にとって重要なシーンでしょう」とコメントをしている。ここから始まる被害者たちの、勇敢な戦いの行方に注目したい。

グレース・オブ・ゴッド 告発の時

イントロダクション
2016年1月に捜査が開始された「プレナ神父事件」は、ある一人の告発がきっかけで80人にも上る証言が集まり、プレナ神父は担当する教区を変えながら長年にわたって信者家庭の少年たちに性的暴力を働いていたという驚くべき事実が白日の下にさらされた。2020年3月の一審で、プレナに禁固刑5年が求刑されている。

本作の物語は、20年、30年経っても、なお虐待のトラウマに苦しむ男たちが、告発するまでの〈葛藤〉と、告発したことによる周囲との軋轢という〈代償〉、それでも告発によって確かに生まれた〈希望〉を紡ぎ出す。あらためて男女の差なく人生を破壊する性的虐待という暴力の恐ろしさと、そこから再生していく人間の力強さ、そしてそれを支える家族の愛が描き出され、まさに人間という存在の光と闇が、ここにある。

ストーリー
妻と子供たちと共にリヨンに住むアレクサンドルは、幼少期に自分を性的虐待したプレナ神父が、いまだ子供たちに聖書を教えていることを知り、家族を守るため過去の出来事の告発を決意する。最初は関りを拒んでいたフランソワ、長年一人で傷を抱えてきたエマニュエルら、同じく被害にあった男たちの輪が徐々に広がっていく。しかし、教会側はプレナの罪を認めつつも、責任は巧みにかわそうとする。
アレクサンドルたちは信仰と告発の狭間で葛藤しながら、沈黙を破った代償──社会や家族との軋轢とも戦わなければならなかった。果たして、彼らが人生をかけた告発のゆくえは──?

作品タイトル:『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』
出演:メルヴィル・プポー、ドゥニ・メノーシェ、スワン・アルロー、ジョジアーヌ・バラスコ、エレーヌ・ヴァンサン
監督/脚本:フランソワ・オゾン 『しあわせの雨傘』『彼は秘密の女ともだち』『2重螺旋の恋人』
2019年/フランス/2時間17分/カラー/ビスタ/5.1ch/原題:Grâce à Dieu/日本語字幕:松浦美奈
映倫区分:G
提供:キノフィルムズ
配給:キノフィルムズ/東京テアトル

公式サイト:www.graceofgod-movie.com
コピーライト:(c)2018-MANDARIN PRODUCTION-FOZ-MARS FILMS–France 2 CINÉMA–PLAYTIMEPRODUCTION-SCOPE

7月17日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開

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