『ジョーンの秘密』モデルとなった核時代最後のスパイ!“ばあばスパイ”ことメリタ・ノーウッドとは?写真&コメント解禁!

ジョーンの秘密

アカデミー賞に7度ノミネートされ、『恋におちたシェイクスピア』で受賞した英国映画・演劇界の至宝 ジュディ・デンチを主演に迎えた、イギリス史上最も意外なスパイの実話から生まれた衝撃作『ジョーンの秘密』の公開初日が8月7日(金)TOHOシネマズ シャンテ他ロードショーにて公開となる。

この度、本作の原作となるジェニー・ルーニー著「Red Joan」のモデルとなった女性 メリタ・ノーウッドについて、本人の写真とコメントが解禁となった。

ジョーンの秘密

イギリスでベストセラーとなった小説の原作(「Red Joan」/ジェニー・ルーニー著)を脚色し映画化された『ジョーンの秘密』。本編で描かれたジョーンは、共産主義に賛同せず、アメリカが広島と長崎に原爆が投下された映像を見て激しく動揺したことが、最初のスパイ活動の動機だとして描かれている。

しかし、原作にはモデルとなった実在の人物がいた。その女性 メリタ・ノーウッドは、熱心な共産主義者でソ連の諜報員として、核開発の機密情報をソ連に横流しをした。劇中の冒頭でも描かれているが、その約50年後に静かに過ごしていた自宅で突然連行されたのである。

当時のイギリスについて、川成洋法政大学名誉教授の解説によると、「ジョーンがケンブリッジ大学に入学した1938年から45年までのイギリスは、企業の連鎖倒産のために拡大する失業問題、左右勢力の激突、第2次世界大戦の勃発そして辛勝など、まさに「疾風怒涛」の時代であった。この時代の真っ只中で、ケンブリッジ大学で学び、卒業後にソ連のスパイになった人もいた。その典型的な事例は、王室美術鑑定官を筆頭に、外務省、秘密情報部などの5人の高官が、ソ連のスパイで「ケンブリッジ・ファイブ」(、あるいは『ケンブリッジ・リング』)と呼ばれた。」

原作の映画化を熱望した、監督のトレヴァー・ナン「ケンブリッジは、この物語の重要な要素です。情熱的で理想主義的な若き共産主義者たちがケンブリッジ大学にいたという知識が重要。作品はケンブリッジ・ファイブ自体を描いたものではないが、史実には忠実だと思います。大戦の大部分を追っているし、観客はあの時代に関して、より多くの知識を得ることができるはず。ケンブリッジ、そしてロンドン市内とその周辺でロケーション撮影された本作は、根本的に真実であるストーリーを、真摯に伝えようとしています。」と語った。

また、「ジョーンのとった行動は正しかったのか、とこの映画は問いかけています。観客の皆さんがこの問題について話し合いたい、熟考したい、討論したいと感じてくださることを願っています。」と本作を製作した“意義”についてコメントしている。

メリタ・ノーウッドは告発された当時、「私はお金が欲しかったのではない。私の関心があったのはそこではない。私はソ連が西側と対等な足場に立つことを望んでいたのだ」と語っている。メリタが持ち続けた強い信念を、是非本編で確かめたい。

プロフィール

メリタ・ノーウッド(コードネーム:Hola)
1912年3月25日―2005年6月2日(享年93歳)

80代の時に、KGBの元スパイだと判明。原爆の資料をソ連に渡したことを郊外の自宅前で行った記者会見で認めたが、高齢のため不起訴処分だった。“ばあばスパイ”と呼ばれ、93歳で死亡した。
社会主義者の両親の影響で幼いときから熱心な共産主義者。イギリス人だが共産主義に賛同し、KGBのもっとも重要な女性スパイだった。
1930年代から活動を始め、密かに英国共産党に入党。そしてイギリスの核技術開発を担っていた非鉄金属研究協会に勤め、ソ連のためにスパイ行為を行った。ソ連の核兵器計画を促進するために、核兵器関連の機密書類を横流ししていた。
1945年と1965年に、防諜機関MI5(英国保安局)がノーウッドの素性について嫌疑をかけたが、2度とも十分な確証を得られなかった。
1972年には定年退職となり、ソ連の諜報員としての役目を終えた。亡くなるまで、自分のしたことを決して後悔しなかった。彼女はソ連政府から名誉ある勲章を喜んで受け取った。

ジョーンの秘密
写真:ロイター/アフロ
自宅前でマスコミに向けて手紙を読み上げるメリタ・ノーウッド。
劇中でもジュディが同様に演じている。

イギリス史上、最も意外なスパイの実話から生まれた衝撃作。

世界がミレニアムに浮かれていた2000年、英国では驚愕のニュースが国内を駆け抜けた。ロシアのKGBに核開発の機密を漏洩していた“核時代最後のスパイ”が、MI5の手によって暴かれたと報道されたのだ。だが、人々に衝撃を与えたのは、その事実よりも容疑をかけられた“その人物”。それは、まさに私たちの隣に住んでいるような80代の老女ジョーン。彼女は信じられないほどの過去を隠し続けて静かに生活を送ってきたのだ。

この数奇な実話をもとに、英国の作家ジェニー・ルーニーが書き上げ、ベストセラーとなった小説の映画化が実現した。

ストーリー
夫に先立たれ、仕事も引退したジョーン・スタンリー(ジュディ・デンチ)は、イギリス郊外で穏やかな一人暮らしを送っていた。ところが、2000年5月、ジョーンは突然訪ねてきたMI5に逮捕されてしまう。半世紀以上も前に、核開発の機密情報をロシアに流したというスパイ容疑だった。ジョーンは無罪を主張するが、先ごろ死亡した外務事務次官のW・ミッチェル卿が遺した資料から、彼とジョーンがロシアのKGBと共謀していた証拠が出てきたというのだー。彼女の息子で弁護士を務めるニック(ベン・マイルズ)立ち会いのもと、次々と明かされるジョーンの驚くべき真実―。仲間や家族を裏切ってまで、彼女は何を守ろうとしたのか。そして、ジョーンを突き動かしたものとは?

作品タイトル:『ジョーンの秘密』
出演:ジュディ・デンチ、ソフィー・クックソン、トム・ヒューズ、スティーヴン・キャンベル・ムーア、ベン・マイルズ
監督:トレヴァー・ナン
原作:ジェニー・ルーニー著「Red Joan」
2018/英語/イギリス/101分/5.1ch/カラー/スコープ/原題:REDJOAN/PG12
字幕翻訳:チオキ真理
配給:キノフィルムズ

公式サイト:https://www.red-joan.jp/
コピーライト:(c) TRADEMARK (RED JOAN) LIMITED 2018

8月7日(金)TOHOシネマズ シャンテ他ロードショー

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