映画『WAVES/ウェイブス』ナイン・インチ・ネイルズのトレント・レズナー&アッティカス・ロスがオファーを引き受けた訳

『ムーンライト』、『レディ・バード』、『ミッドサマー』など次々と話題作を発表してハリウッドに新風を吹き込む映画制作会社、A24が放つ最新作『WAVES/ウェイブス』が近日公開となる。

トロント国際映画祭で『パラサイト』『ジョジョ・ラビット』などアカデミー賞を争う注目作が上映される中、同映画祭始まって以来、最長のスタンディングオベーションを浴び、「一生に一度の傑作」「今年、最もまばゆい体験」と一躍話題となった。

本作の主役とも呼べるのは、フランク・オーシャンをはじめとする今の音楽シーンをリードする豪華アーティスト陣による31の名曲。トレイ・エドワード・シュルツ監督は使用する楽曲のプレイリストを作成し、そこから着想を得て脚本執筆に取り掛かっている。監督自身が“ある意味でミュージカルのような作品”と語るように、全ての曲が登場人物の個性や感情に寄り添うように使用され、時には音楽がセリフの代わりに登場人物の心の声を伝えている。

ミュージカルを超えた〈プレイリスト・ムービー〉の誕生に一役買っているのが、オリジナルスコアを手掛けたナイン・インチ・ネイルズのトレント・レズナーと音楽プロデューサーのアッティカス・ロスだ。『ソーシャル・ネットワーク』でアカデミー賞作曲賞を受賞し、その後も『ドラゴンタトゥーの女』や『ゴーン・ガール』などの話題作を手掛けている。

彼らは本作において、登場人物の心情を伝え時にセリフのようにも使われるアーティストの楽曲に対し、メロディーラインを強調しないそぎ落とされたソリッドなオリジナルスコアで感情の微細な動きを巧みに、そしてエモーショナルに浮かび上がらせることに成功している。サウンドデザインに際し、劇中の効果音やセリフをサンプリングしたりなど、独創的な音楽の制作にも挑戦している。また、フランク・オーシャンなどの名曲と自分たちのスコアを絶妙なアレンジで流れるように繋げているのも彼らの手腕だ。

そんなトレントとアッティカスは今夏アメリカで公開されるピクサー・アニメーション・スタジオ製作『Soul(原題)』の音楽を担当することも発表されている。まさに映画界で引っ張りだこの2人がキャリアの浅い若手監督であるトレイのオファーを引き受けたのは、トレイの前作を観て一緒に仕事をしてみたいと思っていたからだそう。

トレントは今回のプロジェクトについて、以下のように語っている。
以前から面白いことをしてるな、一緒に仕事をしてみたいなと思う人たちのリストを作っているんだ。そこにトレイの名前も入っていた。アッティカスも俺も『イット・カムズ・アット・ナイト』が大好きで、何か特別なものがあると思った。それで、デビュー作の『Krisha(原題)』を観て、衝撃を受けたんだ!『WAVES/ウェイブス』の脚本は今までに読んだどんな脚本とも違っていた。読んだ瞬間、これは紛れもなく、適当な仕事でも気楽な仕事でもなく、誰かが心血を注いで作ったもので、この映画にとてつもない時間を費やして興味深いビジョンと全体像を作ったんだと分かった。トレイはまだキャリアが浅いけど本物だ。それに、これに打ち込むのは最高のプロジェクトだったよ!」と興奮気味に語っている。

豪華31曲のプレイリスト

「FLORIDADA」「LOCH RAVEN (LIVE)」「BLUISH」アニマル・コレクティヴ
「BE ABOVE IT」 「BE ABOVE IT -EROL ALKAN REWORK」「BE ABOVE IT ? LIVE」テーム・インパラ
「MITSUBISHI SONY」「SIDEWAYS」 「FLORIDA」「RUSHES」「RUSHES (BASS GUITAR LAYER)」「SEIGFRIED」 フランク・オーシャン
「WHAT A DIFFERENCE A DAY MAKES」ダイナ・ワシントン
「La Linda Luna」 ケルヴィン・ハリソン・Jr
「LVL」 エイサップ・ロッキー
「AMERICA」 ザ・シューズ
「BACKSEAT FREESTYLE」 ケンドリック・ラマー
「IFHY」 タイラー・ザ・クリエイター feat. ファレル・ウィリアムス
「FOCUS」 H.E.R.
「LOVE IS A LOSING GAME」 エイミー・ワインハウス
「SURF SOLAR」 ファック・ボタンズ
「U RITE」「U-RITE (LOUIS FUTON REMIX)」 THEY.
「I AM A GOD」 カニエ・ウェスト
「GHOST!」 キッド・カディ
「MOONLIGHT SERENADE」 グレン・ミラー・オーケストラ
「THE STARS IN HIS HEAD(DARK LIGHTS REMIX)」 コリン・ステットソン
「HOW GREAT」 チャンス・ザ・ラッパー
「PRETTY LITTLE BIRDS」 SZA feat. アイザイア・ラシャド
「TRUE LOVE WAITS」 レディオヘッド
「SOUND & COLOR」 アラバマ・シェイクス

現時点(2020.2.4)までの主な受賞・ノミネート

★第29回ゴッサム賞 作品賞/観客賞ノミネート/ブレイクスルー俳優賞(テイラー・ラッセル)受賞!
★第19回ニューヨーク映画批評家オンライン賞 ブレイクスルー・パフォーマー賞(ケルヴィン・ハリソン・Jr)受賞!
★第73回英国アカデミー賞 ライジング・スター賞(ケルヴィン・ハリソン・Jr)ノミネート
★第35回インディペンデント・スピリット賞 助演女優賞(テイラー・ラッセル)ノミネート
★2019年度ハリウッド批評家協会賞
次世代を担う俳優賞(ケルヴィン・ハリソン・Jr)受賞!
作品賞/インディペンデント映画賞/助演男優賞(スターリング・K・ブラウン)/助演女優賞(テイラー・ラッセル)/ブレイクスルーパフォーマンス賞(ケルヴィン・ハリソン・Jr、テイラー・ラッセル)/キャスト賞/撮影賞(ドリュー・ダニエル)/音楽賞(トレント・レズナー&アッティカス・ロス)ノミネート
★2019年度シアトル映画批評家協会賞 助演女優賞(テイラー・ラッセル)ノミネート
★第18回ワシントンDC映画批評家協会賞 撮影賞(ドリュー・ダニエル)ノミネート
★第32回シカゴ映画批評家協会賞 有望俳優賞(テイラー・ラッセル)ノミネート
★第16回セントルイス映画批評家協会賞 作品賞/サウンドトラック賞 ノミネート
★第11回インディアナ映画ジャーナリスト協会賞 助演女優賞(テイラー・ラッセル)ノミネート
★第24回サンディエゴ映画批評家協会賞 ブレイクスルー・アーティスト賞 (ケルヴィン・ハリソン・Jr)ノミネート
★ハリウッド・レポーター誌が選ぶ 2019年のトップ10映画選出
★ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞 2019年のトップ10映画選出
★ヴァラエティ誌が選ぶ 2019年のトップ10映画選出

ストーリー
傷ついた今日も、癒えない傷も、愛の波が洗い流す―
高校生タイラーは、成績優秀なレスリング部のエリート選手、美しい恋人アレクシスもいる。厳格な父親ロナルドとの間に距離を感じながらも、恵まれた家庭に育ち、何不自由のない生活を送っていた。そんなある日、不運にも肩の負傷が発覚し、医師から選手生命の危機を告げられる。そして追い打ちをかけるかのように、恋人の妊娠が判明。徐々に狂い始めた人生の歯車に翻弄され、自分を見失っていく。そしてある夜、タイラーと家族の運命を変える決定的な悲劇が起こる。
一年後、心を閉ざして過ごす妹エミリーの前に、すべての事情を知りつつ好意を寄せるルークが現れる。ルークの不器用な優しさに触れ、次第に心を開くエミリー。やがて二人は恋に落ちるが、ルークも同じように心に大きな傷を抱えていた。そして二人はお互いの未来のためにある行動に出る・・・。

作品タイトル:『WAVES/ウェイブス』
出演:ケルヴィン・ハリソン・Jr、テイラー・ラッセル、スターリング・K・ブラウン、レネー・エリス・ゴールズベリー、ルーカス・ヘッジズ、アレクサ・デミー
監督・脚本:トレイ・エドワード・シュルツ(『イット・カムズ・アット・ナイト』)
音楽:トレント・レズナー&アッティカス・ロス(『ソーシャル・ネットワーク』、『ゴーン・ガール』)
原題:WAVES/2019年/アメリカ/英語/ビスタサイズ/135分/PG12
配給:ファントム・フィルム

公式サイト:https://www.phantom-film.com/waves-movie/
コピーライト:(c)2019 A24 Distribution, LLC. All rights reserved.

近日公開


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