【レポート】『ボクたちはみんな大人になれなかった』森山未來、伊藤沙莉との共演を「2人でドライブしているような感覚」

ボクたちはみんな大人になれなかった

主演に森山未來を迎え、幅広い年齢層に共感されベストセラーとなった燃え殻のデビュー作を映画化したNetflix映画『ボクたちはみんな大人になれなかった』(11月5日(金)よりシネマート新宿他にてロードショー&NETFLIX全世界配信開始)のプレミア上映イベントがシネマート新宿で開催された。

観客席から拍手喝采が鳴り響く中、森山未來伊藤沙莉森義仁監督が順に登壇。森山は「緊急事態宣言が明けて、心置きなく映画館に来ていただける状況が嬉しいです。是非本作もこのように劇場で楽しんで頂きたい」と語り、伊藤は「本作のSNSでの宣伝や『原作のかおり役は誰がやるんだ』などのご意見も陰ながら見させて頂いていましたので、こうやって皆さんに観て頂けるのが楽しみです」、続いて森監督も「満席の座席を見られて嬉しいです。今の時期も、撮影の時もコロナで大変でしたが、このような日が来て嬉しいです」とそれぞれこの舞台に立てた迎えた喜びを語った。

森山は劇中で21歳から46歳までを見事に演じ分けているが、心がけていることや難しかった点を問われると「僕の実年齢は37歳ですが、ビジュアルに関しては、本当にあの手この手を使って、こんなに顔のケアをしたのは初めてでした」と会場の笑いを誘ったが、続けざまに「容姿の変容も見どころのひとつですが、主人公の佐藤がどういう場所・環境に出会って、人間関係が複雑に、そして多様になっていくかの様子を観て欲しいですし、そこから“大人とはなにか”という事を観た人には考えてもらいたいですね。」と見た目だけではなく、人生を歩んできた男に蓄積された何かを感じ取ってほしいとのこと。

ボクたちはみんな大人になれなかった

MCから、原作のかおり役は誰になるのかと世間はやはり気になっていたようだと言われると、伊藤は「ずっとそわそわしてました。でも演じてみて、みんなの中にもかおりのようなそれぞれの存在がきっといると思いますので、そのような存在を目指して演じました」

そして森監督は、森山と伊藤の演技は何点だったか!?と問われ、森山と伊藤は同じポーズでのけぞり体をこわばらせる息の合い方を見せる。森監督は「ノーコメント!」とはぐらかそうとしたが「初監督である自分が点数をつけるなど恐縮ですが、お二人とも想像の5倍、10倍の演技力だったので、800点くらいだと思います」と予想を上回る高得点をたたき出した。

ボクたちはみんな大人になれなかった

森山と伊藤は今作が初共演ということで、森山に伊藤の共演してみての感想を伺うと「初めて人を好きになった感情を手繰り寄せて演じなければいけなかったので、最初の頃は緊張していましたが、その近付いていく過程が楽しくて、とても贅沢な時間でした。まるで2人でドライブをしているような感覚でした」と思いを述べた。

さらに、『ボクたちはみんな大人になれなかった』というタイトルにちなみ、現在の自分は大人度何%か?という難しい質問には、悩みながらも森山は「大人をどう判断するかにもよりますが、年の数くらいでしょうか。なので37%くらいですかね」とやや控えめに回答。伊藤は「この先もずっと50:50でいられたらいいなと思います。昔は早く大人になりたいと思ったり、大人の顔色を窺っている時期もありましたが、いま大人になってみて失うものもあったりしますよね。私は人の意見や考えを『待てる人』が大人だと思うので、現状は50%くらいですかね」と回答。そして最後に森監督ははっきりと「分からない」との回答だった。「この質問は取材などでもよく聞かれるのですが、やっぱりこの答えは出なくて、これを考えるのが、この映画なのではないかなと思います」と語った。

ボクたちはみんな大人になれなかった

イベントの最後に、森監督は「主人公は強者でも弱者でもなくちょうど真ん中の、普段目立たない人物像を表現しています。でもそういう人の方が世の中多いと思うので、たくさんの人に観て欲しいです」と思いを語った。伊藤は「主人公世代ドンピシャの人はもちろん、私のように少し世代がずれていても、同じように楽しめる。撮影も美術も衣装もメイクもいい、トータルでとても美しい物語になっていますので、皆さんの感想が楽しみです」とコメント。最後に森山は「1995年から2020年を駆け抜ける映画になっていて、そのなかでもコミュニケーションツールの変容が目覚ましいです。文通に始まり、ポケベル、最終的にはSNS。そして、コロナ禍までも描いている。そこには『出会いたい』『繋がりたい』と思う気持ちがあり、これは昔から変わらないものだと思います。この映画はその根源のエネルギーみたいなものが観れる作品だと思います」とイベントを締めた。

ストーリー
あの時も、あの場所も、あの人も、すべてがいまの自分に繋がっている。

1995年、ボクは彼女と出会い、生まれて初めて頑張りたいと思った。「君は大丈夫だよ。おもしろいもん」。初めて出来た彼女の言葉に支えられがむしゃらに働いた日々。1999年、ノストラダムスの大予言に反して地球は滅亡せず、唯一の心の支えだった彼女はさよならも言わずに去っていった――。志した小説家にはなれず、ズルズルとテレビ業界の片隅で働き続けたボクにも、時間だけは等しく過ぎて行った。そして2020年。社会と折り合いをつけながら生きてきた46歳のボクは、いくつかのほろ苦い再会をきっかけに、二度と戻らない“あの頃”を思い出す……

作品タイトル:Netflix映画『ボクたちはみんな大人になれなかった』
出演:森山未來 伊藤沙莉
東出昌大 SUMIRE 篠原篤
平岳大 片山萌美 高嶋政伸
ラサール石井・大島優子/萩原聖人
原作:燃え殻『ボクたちはみんな大人になれなかった』(新潮文庫刊)
監督:森義仁
2021/124分/カラー
配給:ビターズ・エンド

公式サイト:bokutachiha.jp
公式Twitter:@bmo_movie
公式Instagram:@bokutachiha_movie
コピーライト:(C)2021 C&Iエンタテインメント

115日(金)より、シネマート新宿、池袋シネマ・ロサ、アップリンク吉祥寺ほかロードショー&NETFLIX全世界配信開始!

 

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