【レポート】映画『ケアニン~こころに咲く花~』3年ぶり続編の完成報告会に戸塚純貴、島かおり、鈴木浩介監督登壇!

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2017年の劇場公開後、国内外で上映会が1,300回を超えて開催され続けている映画『ケアニン〜あなたでよかった〜』。映画、ドラマに引っ張りだこの戸塚純貴が演じる若手の介護福祉士―通称”ケアニン”である大森圭が、施設の入居者さんやその家族、スタッフたちと対話しながら介護に向き合っていく感動の物語『ケアニン〜こころに咲く花〜』が4月3日(金)より公開となる。

そして3月4日(水)、本作の完成報告会が開催され、主演の戸塚純貴、島かおり、鈴木浩介監督が登壇した。

映画『ケアニン〜こころに咲く花〜』完成報告会 概要

日程:3月4日(水)
登壇者(敬称略):戸塚純貴 島かおり 鈴木浩介監督
場所:日本消防会館(ニッショーホール)

▼舞台挨拶の模様はこちらよりご覧いただけます

■イベントレポート

戸塚:たくさんの方にお集まりいただきありがとうございます!20人くらい? ですね。このようなタイミングではありますが、このような形ででも、皆様に映画ができたという報告がぜひしたいなという心優しきスタッフの配慮によって本日報告会を行えることになりました。最後までおつきあいいただけたらなと思います。

:新型コロナウイルスで大変な世の中になっていますが、映画で心を温めて頂ければ嬉しいなと思います。

監督:本作は、去年の夏に撮影しまして、完成しましたという報告できること本当に感謝しています。

 

2作目の製作が決まった時の感想をお聞かせください。

戸塚:第1弾からそうでしたが、プロデューサーの山国さんと監督と、こういう作品は続けていきたいなという強い思いがまずありました。そのなかで観てくださった方々、特に、本当の介護士の人たちの声をたくさんいただきまして、いろんな多くの方々の支えがあって、第二弾を撮影することができました。僕としてはうれしいなと思いましたし、そのぶんしっかり責任を持って、最後まで演じなければいけないなという身の引き締まる思いでした。
2作目の撮影でちょっと驚いたことがあったんです。撮影中に、千葉の実際にある老人ホームをお借りして撮影してたんですが、その期間中、家に帰らずホテルで作品に集中しようかなと思っていたら、たまたま鈴木監督もホテルにいて。

:あれ!たまたまだったの?私、仲がいいんだなと思っていた。

戸塚:そうなんです。たまたまです。

:朝、一緒に来るんです。おかしいな、2人の関係はどうなってるんだろうって思ってました(笑)。

戸塚:そこから毎日朝ごはんを一緒に食べて、車に乗せていただいて、現場に行ってました。

監督:送迎は僕がやってました。そのおかげであるシーンができあがりました。具体的には言えませんが。

戸塚:監督とここまで濃密にこの作品に取り組めるのは、第1弾ではなかったんですが。

:びっくりしました。監督の車で2人が来て。どうなってるんだろう?と。普通はマネージャーさんと一緒ですよね。本当に仲良く。

監督:5泊くらいしてたもんね。

 

2作目での撮影はいかがでしたか?前作は小規模のホームでしたが、今回は大きな施設でしたよね。

戸塚:前作から3年後のお話ではあるので、大森圭自体の介護士としてのスキルは少し上がってはいるんですが、実際自分の今まで学んできたものとかが、結局特別養護施設では通用しなかったりするので、結局第二弾でも、1からスタートという気持ちがありました。実際に特別養護施設におじゃましたとき、やっぱり印象的だったのが、利用者さんの人数の多さですね。あと、食事風景が長テーブルに、20人くらいいらっしゃって。そこにスタッフさんが1人ついてるような感じなんですね。そこでは、自分では上手くごはんを食べられない方もいらっしゃるから介助を待っていて。その姿がすごい印象的でした。そういう部分にめんくらってしまったのですが、こういうことも映画ではきちんと描かれています。

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現実と理想の間で悩みあたふたする大森圭がいたのですが、成長してましたよね?

戸塚:もともと大森圭にはぶれない芯があり、人に対する思いやりが人一倍強い人なので、そこは最後まで貫かなければいけないなと思って演じていました。

 

島さんはいかがですか?

:私も高齢化社会の一員として、介護や認知症に興味があるので、とても勉強になるなと思いながら楽しみに撮影に入りました。綿引さんは、私より1歳上ですが、夫婦役は初めてでした。不器用な昭和の男ですね。

 

綿引さんは団塊の世代の男の代表?

:面会に普通だったらラフな格好で着ますよね。奥さんに対する愛もあるのかも。ちゃんとした格好で会いにいこうと。

 

認知症の入居者という非常に難しい役柄の中で、ほとんどセリフもなかったかと思います。言葉ではなく心をどう表現するかどのようにイメージされたのですか?

:女優生活で初めてです。台詞が「ありがとう」のひとことしかなかったのは。どういうふうに臨んだかと言うと、年をとってくると、だんだん子どもに返っていきますよね。私も子どもに返ったつもりで、素直なニュートラルな気持ちで撮影現場に行きました。そのシチュエーションのなかで、監督がいろんなプランをもってらして。圭くんがいて。
そのなかで、自分でも思いがけない動きもでてきたりするし。あえてああしてこうしてとは思わずその場の雰囲気で。楽しかったです。圭くんは、ちゃんとしたケアニンでした。もしも私が認知症になって、施設に入ったら圭くんにカバーしてもらいたいと思いました。

戸塚:うれしいお言葉ありがとうございます。ありがとうございました。

:圭くんは明るいんです。スタッフやキャストをとても大事になさるし。初めて会って「よろしくおねがいします」「お疲れ様でした」と言うだけではなくて、終わってからでも、圭くんが他の番組に出ていたら観たいなと。何に出るの?教えてと。それくらい興味のある人です。

戸塚:島さんはすごく明るい人で。「なにに出てるの?」と聞かれて言うと、本当に次の日、観てきてくださって。すごいびっくりしちゃいました。嬉しかったです。

:興味があるってことは、魅力があるってことだから。これからも興味を持たれる存在でいてください。

監督:撮影期間がそんなに長くなかったんですよ。特別養護施設でリアルに生きてる方々の雰囲気を感じながらやらせてもらった。あんまり僕らもけろっとしてるわけじゃないけど、全体の空気感が、特養ホームのみなさんがそういう空気だったかもしれない。だから、実際の利用者さんたちもみなさん、いい笑顔でやってくれていたので、僕らもお会いさせていただいて、いい雰囲気で。言葉悪いけど、軽やかな感じでした。

 

感情や愛情はあると口では簡単に言えますが、画で見せるというのは難しいですよね。

監督:たまたま僕らがやった撮影場所が、畑が周りにあって、そこでやらせていただいたんですが、音も含めてですが、下見に行ったときも、すごい風の音とかがあって。それがあったから、オープニングの1カット目は、そういう空気感から入らせてもらった。場所に助けられたところはめちゃくちゃありました。屋上から見える緑など、夏じゃないとあの空気は出ないと思いました。

戸塚:めちゃくちゃ暑かったですね。あれはすごかったです。

監督:そんな暑いときだったよね。同じホテルに泊まっているので、おのずと車で送ってくことになるんです、僕は運転しているので飲めないですけど「ビールを飲んでいいんじゃないの?」と話しながら帰りました。

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ケアニンが主役ではありますが、夫婦愛や家族愛もいいですよね。セリフがないからこそ感じるものはありますよね。介護の経験があるからこそ島さん演じる美重子の娘の気持ち痛いほどわかりました。

:娘も孫もすごくよかったですね。

監督:孫も良かったですね。

 

家族のお互いがちゃんと想い合ってるのが伝わってきました。

:私も介護の経験がありますし、ケアニンの方たち、ケアマネージャーさんや施設の方に助けられて、両親の介護を終えることができたので、ぜひこの映画を観て、「ケアニンになりたい」という方が増えてくれると嬉しいなと思います。

戸塚:僕もそう思います。島さんがいると明るくなります。助けられてばかりでした。この第2弾も、もちろん施設内の話でもありますが、それに関わる家族にもフォーカスをあてています。その息子さんや娘さん、その息子の感情だったり、色々な人からの目線からでも共感できるところがたくさんあると思うので、そこを楽しみにしてほしいです。

 

前回は色んな先輩の助けで気づいていましたが、今回は大森圭が周りのスタッフを動かしていきますよね。

戸塚:いや、良かったです。動いてくれてよかったなと。みなさんが。僕は動かしたい気持ちが。でも、まだ映画をみてみないと動いているかはわからないですよね。

 

大森圭の成長が見えますよね。ひとりひとりで向き合うことを実践していこうとしますが、最初から壁がある感じですよね。

戸塚:僕もそうですが介護や福祉のことを知らない方がまだまだ多いなと感じます。実際僕もそうだったし、印象やイメージが変わりましたし、僕と親しい気持ちになってくれたら嬉しいなと思います。

 

監督からみて成長しましたか?

監督:今回宿泊先が一緒だったので、一緒にいる時間が多かった。あれがあったから色々話が出来て、ああしようこうしよう、あのセリフはこうしようという話が出来ました。彼が25歳から28歳になって、いろいろ経験してきて、こういったディスカッションが出来るようになって。それも含めて成長したのかなと思います。

戸塚:あまりほめられると照れちゃうけど。こういっていただけるのはありがたいし。そのお言葉に恥じないように、これからも精進していきたい。

 

最後にお薦めのシーン、見どころをお願いします。

戸塚:今回いろんな人たちのいろんな立場から、人間的にぐっとくるポイントがたくさん散りばめられているので、それは大森圭を通してでもそうですし、理事長の気持ちとか、息子の施設長のきもちとか。みんな本当はやりたいことを想っているけど、実現できない現実がある。その中でもがいている姿が、それぞれ違うけど、思いはひとつなんだなと思えるシーンがたくさんあります。いろんな人間ドラマがあり、そこの関係性とかを、介護の映画とひとくくりにしてほしくないなぁと思うので。そこは広く作品として観てほしい。島さんもおっしゃいましたが、“ケアニン”って資格が必要なものじゃないから、たくさんの温かい気持ちをもって、この映画をみて、考えるきっかけになったりとか、話し合うきっかけになってくれたらいいなと、そういう人たちがたくさん増えてほしいなと思います。

:私は夫婦愛。認知症の妻と介護する夫。夫が病気なって、長くは生きられないかもしれないけど、妻にたいしてさうらいずをしてくれる。それをわかってるのかわかってないのか、そこがすごく切なくて、観てほしいところです。

監督:出演者全員といっていいぐらい笑顔が出るんです。その種類が、シーンに必要な笑顔もあるんですけど、そうでない笑顔もある。僕が意外とすきなのは、綿引さん演じる達郎が、島さん演じる美重子を介護するのを圭くんがちらっと見るんです、達郎さんの優しさを。実を言うと台本には書いてないんです。段取りをしたとき、そういう顔をするんです。ああいうのもどんどん出てくるんです、この映画には。台本には書かれていない本人からふとでてくるものを、観て下さる方たちがどう感じてくれるのか、意外と自然な笑顔だったりするので、そこが楽しみです。

戸塚:この場を設けていただき大変うれしく思っております。この映画の魅力は、この映画にアルパワーを皆さんにたくさん伝えたいという想いがあるのでぜひ大切なかたと劇場におこしいただけたらなと思っております。

:映画を観て頂き、やさしい心を、温かいを持っていただけたらなと思います。

監督:大変な時期ではありますが、映画はいろんな力をもっていると思います。いろんな映画、そして『ケアニン』をみて元気になっていただきたいと思います。

イントロダクション
本作の舞台は特別養護老人ホーム。主演の戸塚純貴演じる大森圭は慣れないルールの中、認知症の老婦人・美重子(島かおり)とその夫・達郎(綿引勝彦)の50年間の夫婦の深い愛情の中で、本当の介護の在り方に苦悩していく。前作から、大森圭の先輩役の松本若菜や、2人が働いていた小規模介護施設の社長役の小市慢太郎も出演。さらに「ケアニン」のスピンオフ作品『ピア~まちをつなぐもの~』(19)の主演である細田善彦も友情出演で登場する。

ストーリー

小規模施設から大型の特別養護老人ホームに転職した介護福祉士の大森圭。しかし、「多くの利用者に対応するため」という目的の元に、効率やリスク管理を優先する運営方法に、大きな戸惑いを隠せないでいた。そんな中、認知症の老婦人・美重子が入所してくる。美重子を自宅で介護してきた夫の達郎は、施設を信用できず、担当の圭にも厳しくあたる。それでも、友人の美容師を施設に呼んで美容サロンを開催するなど、美重子や利用者のために奔走する圭。しかし、その行動も職場のチームワークを乱していると上司や理事長から叱責されてしまう。そんな折、圭は達郎のある「願い」を知ることになる―。

ケアニン作品タイトル:映画『ケアニン~こころに咲く花~』
出演:戸塚純貴 島かおり 綿引勝彦
赤間麻里子 渡邉蒼 秋月三佳 中島ひろ子 浜田学 小野寺昭
吉川莉早 鰐淵恵美 島丈明 坂本直季 牧口元美 / 松本若菜 細田善彦 小市慢太郎
監督:鈴木浩介
脚本:藤村磨実也・山国秀幸
企画・原作・プロデュース:山国秀幸
主題歌:香川裕光 「Wedding Day」 音楽:遠藤浩二
プロデューサー:吉見ヒデキ アソシエイトプロデューサー:彦惣康宏・小川明日香
製作:「ケアニン2」製作委員会
(ワンダーラボラトリー/JR西日本コミュニケーションズ/イオンエンターテイメント/ユナイテッドエンタテインメント/アイ・ピー・アイ/エイチエムプラス/朝日放送テレビ)
推薦:厚生労働省
制作:エイチエムプラス
2020年/日本/カラー/5.1ch/101分/ビスタ
配給:ユナイテッドエンタテインメント 共同配給:イオンエンターテイメント

公式サイト:http://www.care-movie.com/2/
映画『ケアニン』シリーズ公式Twitter:@care_movie
映画『ケアニン』シリーズ公式Facebook:@caremovie
コピーライト:(C)2020「ケアニン2」製作委員会

4月3日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開

 


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