【レポート】『Fukushima 50』佐藤浩市、渡辺謙が語る最前線で戦う人への感謝 “一番大切なのは現場の声” 7/9舞台挨拶

『Fukushima 50』(フクシマフィフティ)

2011年3月11日午後2時46分、東日本大震災発生。そして福島第一原発事故。日本人誰もが経験し、全世界が震撼した福島第一原発事故の関係者90人以上への取材をもとに綴られたジャーナリスト、門田隆将渾身のノンフィクション作品「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」(角川文庫刊)原作の映画『Fukushima 50』(フクシマフィフティ)が、2020年3月6日(金)に全国公開。

この度、公開から4カ月が経ち佐藤浩市、渡辺謙がカムバック上映記念舞台挨拶に出席し、改めて作品に対する想いと喜びを語った

映画『Fukushima 50』(フクシマフィフティ)カムバック上映記念舞台挨拶 概要

日時:7月9日(木)
登壇者:佐藤浩市、渡辺謙(敬称略)
場所:丸の内ピカデリー

まず佐藤は「数奇なこの期間、この映画もいろんな変遷を辿りもう一度皆さんの前に立つことが出来て不思議な感じがしますけど、嬉しいです」、渡辺は「このような中で映画館に来てくださり、この作品に期待を寄せてくれている皆さんありがとうございます。この映画を様々な形でお客様に届けようとしてくださった関係者の皆さんありがとうございました」とそれぞれ感謝を交えながら客席へと挨拶をした。

コロナ禍で生活様式が変わった現在において本作を世の中に届ける意義を佐藤は「このような状況の中でいったい人は何ができるのか、その方向を間違えると取り返しがつかなくなる。この映画で語りたかったものと今の状況は同じだと思います。人災にしない為に僕ら自身が考えながら日常を生きる。社会が変わっていく中でそれぞれが考えていくことを求められる、それを普通に振る舞えるように生活しなければいけない。そうしたことを考えるのにこの映画の中で起きていること、語っていることを改めて見ていただきたいと思います」とコメント。

『Fukushima 50』(フクシマフィフティ)

渡辺は「この映画で描かれている原発事故と、今回のコロナは違う側面を持っていると思います。この原発事故では世の中が変革しなければいけなかったことに我々は気付かなければいけなったがそのまま普通の生活に戻ってしまった。そして、今回の厄災が起きたことで、我々は何どうやって生きていけばいいのだろうと考えさせられている。でも4月まで舞台をやっていて、やっぱり熱とバイブレーションが必要なんですよ。その二つを取り上げられると成り立たないんですよね。なので新しい生活様式という言葉に少し引っかかるんです、我々エンターテインメントに生きる人間としては普通の生活様式をそこに取り戻したいという気持ちです。もっとパーソナルな新しい生き方を考えたいと思います」と力強い気持ちを語った。

そして、舞台挨拶当日(7月9日)は渡辺が演じた福島第一原発の最前線で指揮を執っていた吉田昌郎所長の命日でもあることを受けて渡辺は「今回の厄災が起きた時などに一番大切なのは“現場の声”なんですよ。現場が何を欲しているのか、現場では何が困っているのか。その声を切に聞いて戦ったのが吉田さん。この日に本作を皆さんに届けられる、現場を大切にした吉田所長をこの映画を通して感じてもらえたら吉田さんも喜ぶと思います」と吉田所長へのメッセージを感慨深げに語った。

『Fukushima 50』(フクシマフィフティ)

さらに2人も作品の中では現場の最前線で戦う役を演じていること、新型コロナ対応で医療に従事されている方々などの現場で戦う方たちについて佐藤は「自分たちの知らないことが多すぎました。マスコミもちゃんと伝えてくれているのに、何故かみんなには届いていない。この不可思議さはいついかなる時もあると思う。今回のコロナ対応でも最前線で戦ってくれている医療従事者の方々は多少の偏見の中で生活を送らなければいけなかったことについて我々が正確に物事を見聞きすれば避けられたと思うんです。この考えは本作で伊崎さんを演じると決まった時に思った気持ちと同じです」と現在も最前線で戦っている医療従事者への想いを語った。

次に渡辺は「見えない敵と向き合わざるを得ないその恐怖に尽きると思います。原発事故、コロナに関しても最前の注意を払わなければいけない。でも今やらなければいけないことにも対応しなくてはいけないというある種の葛藤の中で人の命と向き合う必要がある。その緊張感と恐怖は今回の厄災とも同じで、相当な緊張感とストレスのある中で対応してくれていたんだなと思いますね」と現場で戦う方々が背負うものの重さを語った。

緊急事態宣言が明けて、営業を再開する映画館も増えてきて劇場で映画を見ることの魅力を佐藤は「実際に劇場で映画を見て、暗がりから外に出た瞬間に感じる何かなんですよ。劇場で見た人じゃなければわからないものなんですよ。それでもやはり、今は劇場に行くことに躊躇するかもしれない、でも各々で感染予防をして映画を静かに見る、危険を自分で回避することが出来ていていれば、そこまで避けることなく映画を見ることはできると思います」としっかりした感染予防のもと劇場に活気が戻ることを願った。

『Fukushima 50』(フクシマフィフティ)

それに対し渡辺は「こんなに長い間仕事をしない時はなかったです。毎日1、2本は配信などで映画を見ました。やっぱり映画の良さは“体験”だと思います。暗がりの中、大きなスクリーン上で予告編が流れそして本編も凄く良い音で流れて今まで見たことのないような世界を見ることが出来る。そうして宅配便に邪魔されることもなく2時間近く一緒に体験ができることが本来の映画館だと思います。だから映画館に来なくなった若い人たちや今回のことで来なくなった人にも戻ってきて欲しいと思います。映画館も感染予防にすごく頑張っていますので、みなさんも自分自身の感染予防は行い映画館との相互関係で戻ってきて欲しいですね」と映画館で鑑賞することの魅力を語った。

そして最後に渡辺は「公開日の翌日に取材をしていたんですけど、舞台挨拶が中止になってしまったけれどドルビーシネマ10人くらいお客さんが来てくれてたんですよ。だから浩ちゃんとその人たちだけに挨拶しようとスクリーンに向かったんですよ。満員の中挨拶に行くのも醍醐味なんですけど、こうした状況の中でも足を運んでくれたんだと二人で実感できて、いつかこういう日が迎えられると良いねと話していました」とカムバック舞台挨拶を迎えられた感謝を述べた。

佐藤は「今は本当にどの業界も大変ですけれど、数年経っていつも通りの劇場の姿に戻って、『次の世代にあんな時代があったね』とそんな時代を経験したからこそ今の仕事を大切にしようと言える時が来るのを待ってます」とこの苦境に対しての力強いメッセージを語り舞台挨拶は幕を閉じた。

2011年3月11日午後2時46分、東日本大震災発生。そして福島第一原発事故。
日本人誰もが経験し、全世界が震撼した3.11
その最前線で戦い続けた者たちの物語

2011年3月11日午後2時46分、東日本大震災発生。そして福島第一原発事故。日本人誰もが経験し、全世界が震撼した福島第一原発事故の関係者90人以上への取材をもとに綴られたジャーナリスト、門田隆将渾身のノンフィクション作品「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」(角川文庫刊)原作の映画『Fukushima 50』(フクシマフィフティ)。

マグニチュード9.0、最大震度7という、日本の観測史上最大の地震となった東日本大震災時の福島第一原発事故を描く物語。想像を超える被害をもたらした原発事故の現場:福島第一原子力発電所(通称:イチエフ)に残った地元福島出身の作業員たちは、世界のメディアから“Fukushima 50”(フクシマフィフティ)と呼ばれた。世界中が注目した現場では本当は何が起きていたのか―、何が真実なのか―、浮き彫りになる人間の強さと弱さ。東日本壊滅の危機が迫る中、家族を、そしてふるさとを守るため死を覚悟して発電所内に残った人々の知られざる“真実”が、今、遂に明らかになる。

主役となる福島第一原発1・2号機当直長・伊崎利夫役に佐藤浩市、福島第一原発所長、吉田昌郎役に渡辺謙。さらには吉岡秀隆、緒形直人、火野正平、平田満、萩原聖人、吉岡里帆、斎藤工、富田靖子、佐野史郎、そして安田成美ら、豪華実力派キャストが結集し、邦画初となる米軍の撮影協力も得るなど、日本映画史上最大級のスケールでの映画化が実現した。

作品タイトル:『Fukushima 50』(フクシマフィフティ)
出演:佐藤浩市  渡辺謙 吉岡秀隆 緒形直人 火野正平 平田満 萩原聖人 堀部圭亮 小倉久寛 和田正人 石井正則 三浦誠己 堀井新太 金井勇太 増田修一朗 須田邦裕 皆川猿時 前川泰之 Daniel Kahl 小野了 金山一彦 天野義久 金田明夫 小市慢太郎 伊藤正之 阿南健治 中村ゆり 田口トモロヲ 篠井英介 ダンカン 泉谷しげる 津嘉山正種 段田安則 吉岡里帆 斎藤工 富田靖子 佐野史郎 安田成美
監督:若松節朗
脚本:前川洋一
音楽:岩代太郎
原作:「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」門田隆将(角川文庫刊)
製作:KADOKAWA
配給:松竹、KADOKAWA

公式サイト:fukushima50.jp
公式Twitter:twitter.com/Fukushima50JP
公式Faceboook:facebook.com/fukushima50jp/
コピーライト:(C) 2020『Fukushima 50』製作委員会

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