【レポート】『最後の決闘裁判』NYプレミアでマット・デイモン×ベン・アフレック、24年ぶり共同脚本に自信 ―10/15公開

最後の決闘裁判

アカデミー賞(R)作品賞を受賞した『グラディエーター』などのリドリー・スコット監督が、アカデミー賞脚本賞(R)を受賞した『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』のマット・デイモンベン・アフレックが24年ぶりにタッグを組んで参加した脚本を映画化。歴史を変えた世紀のスキャンダルを描く実話ミステリー『最後の決闘裁判』が日米同日の10月15日(金)公開となる。

公開を直前に控えた現地時間10月10日(日)にはニューヨークでプレミアイベントが開催され、世紀の決闘裁判に挑む騎士カルージュを演じたマット・デイモン、騎士たちの運命を揺さぶる主君ピエール伯を演じたベン・アフレック、女性が声を上げることのできなかった時代に立ち上がり、裁判で闘うことを決断した勇気ある女性マルグリットを演じたジョディ・カマー、マット&ベンと共に脚本を担当したニコール・ホロフセナーが登壇した。

さらに、ヴェネチア国際映画祭のレッドカーペットでも2ショットを披露し、世界中の話題をさらったベン・アフレック×ジェニファー・ロペスが集まったメディアの前で見つめ合う様子を見せ、終始仲睦まじい姿と共に映画をアピールした。

最後の決闘裁判

また、マット・デイモンも妻とともに登場し、ベン・アフレックら3人で談笑する貴重なショットも到着。劇中では騎士カルージュとカルージュの主君ピエール伯として対立する間柄でありながら、プライベートでは長年の親友同士であり、本作では24年ぶりに共同脚本に挑んだ2人ならではの強い信頼関係を伺わせる特大の笑顔を見せている。

最後の決闘裁判

マットは本作の脚本制作において、『羅生門』からインスパイアを受けていることを明かしており、今回のイベントでは「映画は3つの視点から語られていて、まず2人の男性(カルージュとル・グリ)の視点で話を導き、観客を2人の男性の間にある選択に引きつけ、そして2人の話では完全に無視されていた女性の世界(マルグリットの視点)を明らかにする、というアイディアでした。当時は、あるいは映画全般でその傾向があると言えるのですが、女性は個人ではなく(夫もしくは父親の)所有物とみなされていたため、彼女の視点で描かれる第3幕こそが、客観的真実になると思ったんです。なぜなら、彼女だけが、自分自身が人間だと理解して物語を語っている唯一の存在だからです。それが脚本の構造のアイディアでした。」と、史実の中でも埋もれてきた女性視点の物語を、最大限効果的に描き出す手法として3部構成を用いたこと明かしている。

24年ぶりに共同脚本に挑んだベンは「マットと一緒に仕事することは楽しかったですし、この映画をとても誇りに思っています。」と製作の裏側を振り返りながら、その出来栄えを力強くアピール。共演者であり、本作でも特に重要な役どころであるマルグリットを演じたジョディ・カマーとル・グリを演じたアダム・ドライバーに対し「ジョディは素晴らしく、アダムは本当にすごい。登場人物の視点で描かれる物語の中では、演技の微妙な差によって本当の物語が現れてくるので、とてもデリケートな表現力が必要だったんです。」と絶賛した。

最後の決闘裁判

レッドカーペットには、シックなブラックのドレスに身を包み、劇中、信念を曲げることなく闘い抜いたマルグリットの強さを彷彿とさせる、凛とした姿のジョディ・カマーも登壇。

ジョディはマルグリットを演じる上で、自分自身でもマルグリットという女性がどんな人物だったのかリサーチを重ねたといい、その中で、「この役について調べていくにつれ、男性に関しては多くの情報が残されているのに対し、女性に関しては残された情報がとても少ないということにとても驚かされました。」といかに女性の立場が無視されてきたのか、その事実にショックを受けながらも、「マルグリットという役を演じることで、この女性に“声”を与えることができるという点にとても惹かれたんです。彼女の立場に正義を与え、その物語を語ることはとても光栄でした。自分自身も励まされたし、皆さんにもそう感じてもらえたら嬉しいです。」とマルグリットという実在した女性へのリスペクトを明かしている。

原作を読み、映画化を熱望したマットも、マルグリットという実在した女性に対し「彼女は今まで聞いたことがないような素晴らしいヒーローで、知った瞬間に映画にしたくなるような人物です。彼女が持っていた信じられないほどの勇気、彼女が戦っていたもの、そして彼女が取った行動は本当に素晴らしく、讃えられるべきものなのです」と最大の賛辞を贈り、彼女こそが本作誕生の一番のきっかけといっても過言ではない。

そんなマルグリットを演じるにあたり、3人の視点で物語が語られる3部構成を用いた本作では、同じ台詞の同じシーンを絶妙な演技で演じ分けなければならない。ジョディは「男性たちがそれぞれに思っているマルグリットを表現して、差し出していかなければいけなかったんです。その時、その時に彼らが必要としたマルグリット、という意味でもありますよね。誰かが私にこうあってほしいと思っている姿を演じ分けるなんて、たいていの映画では必要ありません。そういう意味ではとても楽しい体験でした。」と当時の撮影を振り返り、共演者も舌を巻くほどの離れ業を“楽しみながら”やってのけたことを明かした。

最後の決闘裁判

映画の公開を直前に控える中、エグゼクティブ・プロデューサーとしても名を連ねるマットは「原作を見つけた瞬間、「デュエリスト/決闘者」を思い浮かべました。それがリドリー・スコット監督の初めての作品だし、誰も彼のように中世フランスの世界を構築することはできない上に、一連の作品で素晴らしく、そして強い女性の演技を提示してきていますから。彼なら最高の仕事ができると考えました。」と83歳にして、エネルギッシュで挑戦的な新作を続々と発表し続けるリドリー・スコット監督と作り上げた本作に絶大な自身を覗かせていた。

ヴェネチア国際映画祭でのワールドプレミアから、パリ、ロンドンを経て、ついにニューヨークでのプレミア開催となった本作。集まったカメラマンやメディアに笑顔で応えるキャストたちの姿が印象的で、日本のみならず、アメリカでも、いよいよ映画の封切りを控え、注目を集める『最後の決闘裁判』は10月15日(金)より全国公開。

最後の決闘裁判

ストーリー
中世フランス──騎士の妻マルグリットが、夫の旧友に乱暴されたと訴えるが、彼は無実を主張し、目撃者もいない。真実の行方は、夫と被告による生死を賭けた“決闘裁判”に委ねられる。それは、神による絶対的な裁き──勝者は正義と栄光を手に入れ、敗者はたとえ決闘で命拾いしても罪人として死罪になる。そして、もしも夫が負ければ、マルグリットまでもが偽証の罪で火あぶりの刑を受けるのだ。果たして、裁かれるべきは誰なのか?あなたが、この裁判の証人となる。

作品タイトル:『最後の決闘裁判』
出演:ジョディ・カマー、マット・デイモン、アダム・ドライバー、ベン・アフレック
監督:リドリー・スコット
脚本:ニコール・ホロフセナー、マット・デイモン、ベン・アフレック
原作:エリック・ジェイガ―(「決闘裁判 世界を変えた法廷スキャンダル」)
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン

公式サイト:20thcenturystudios.jp/movie/kettosaiban.html
コピーライト:(c) 2021 20th Century Studios. All Rights Reserved.

10月15日(金)全国公開

 

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