コロナ時代を乗り越える!「Help! The 映画配給会社プロジェクト」で「配給会社別 見放題配信パック」スタート!

Help! The 映画配給会社プロジェクト

新型コロナウィルスの影響で、映画館、映画製作者、そして映画配給会社は困難な時代を迎えている。そんな中、日本の独立系配給会社が、この難局を乗り越えるため「Help! The 映画配給会社プロジェクト」を立ち上げ、その緊急アクションとして「配給会社別見放題配信パック」をスタートさせることが発表された。

 

①「Help! The 映画配給会社プロジェクト」とは

将来的には独立系配給会社団体として、諸課題の改善や情報共有に取り組みたいと考えていますが、今回は、現在の非常事態を乗り切る「配給会社別 見放題配信パック」を緊急アクションとして実施します。

・公式twitter:https://twitter.com/help_the_dsbtrs
・公式Facebook:https://www.facebook.com/help.the.distributors
・公式note:https://note.com/help_the_dsbtrs

 

②参加会社一覧(アイウエオ順)

※5/11現在20社

[配信メンバー] 13社
彩プロ、アンプラグド、エスパース・サロウ、オンリー・ハーツ、クレストインターナショナル、ザジフィルムズ、サンリス、シンカ、セテラ・インターナショナル、ハーク、マジックアワー、ミモザフィルムズ、ムヴィオラ

[賛助メンバー] 7社
キノローグ、サニーフィルム、チャイルド・フィルム、ドマ、ノンデライコ、パンドラ、ユナイテッドピープル

 

③「配給会社別 見放題配信パック」とは

アップリンク・クラウドを配信サービスとして、各配給会社が自社の過去作品をパックにして配信。配給会社により作品数が異なりますので、配信期間、料金も異なります。

アップリンク・クラウド
「Help! The 映画配給会社プロジェクト 配給会社別 見放題配信パック」ページ
https://www.uplink.co.jp/cloud/features/2408/

 

④第1弾配信 5社 全90作 5/15(金)15:00〜配信開始

クラシックの名作やヌーヴェルヴァーグの傑作群、アジアやヨーロッパの作家たち、近年大ヒットした作品、カンヌなど国際映画祭での受賞作、これまで未配信だった貴重な作品など見逃せない全90作。下記5社が参加します。

クレストインターナショナル見放題パック 3ヶ月 2,480円(税込)/12作品
https://www.uplink.co.jp/cloud/features/2409/

[見どころ]
今年創立30周年を迎えるクレストインターナショナルはヨーロッパの作品を中心に手掛けてきました。
今回セレクトした配信ラインナップは、何度見ても至福に包まれるジャン・ルノワール監督の『ピクニック』、アラン・レネ監督のチャーミングな遺作『愛して飲んで歌って』、最高齢監督の記録を持つマノエル・ド・オリヴェイラの『アンジェリカの微笑み』といった巨匠たちの作品から、フランス映画界の若手監督として才能を発揮するミア・ハンセン=ラブ、ウニー・ルコントまで揃えました。
また今や『パラサイト 半地下の家族』の成功で世界中が注目する韓国映画からは、キム・ギドク監督のベネチア映画祭グランプリ作とホン・サンス監督と女優キム・ミニのコラボ作4本。世界中で大ヒットし、シリーズ化となったマイケル・ウィンターボトム監督の『イタリアは呼んでいる』には抱腹絶倒です。どうぞ多様な映画の魅力をご堪能ください。

『未来よ こんにちは』
(c)2016 CG Cinéma • Arte France Cinéma • DetailFilm • Rhône-Alpes Cinéma

『イタリアは呼んでいる』
(c)Trip Films Ltd 2014


ザジフィルムズ見放題パック 3ヶ月 2,980円(税込)/30作品
https://www.uplink.co.jp/cloud/features/2410/

[見どころ]
ゴダール、ヴァルダ、ドゥミら、ヌーヴェルヴァーグの監督たちの過去の名作の数々を“渋谷系カルチャー”全盛の90年代からスクリーンでリバイバル上映してきたザジフィルムズが贈る「ザジフィルムズパック」。ゴダール×アンナ・カリーナの『女は女である』、『女と男のいる舗道』、昨年亡くなったアニエス・ヴァルダの代表作『5時から7時までのクレオ』、『幸福』を始め、一昨年開催されたレトロスペクティブが異例のヒットとなったアラン・ロブ=グリエの6作品など、珠玉のフランス映画を堪能することが出来ます。またスウェーデンからはベルイマンの3作品、イタリアからはフェリーニ、ヴィスコンティ、パゾリーニ等々ヨーロッパの名監督の作品を網羅しています。

「女は女である」
(c)1961 STUDIOCANAL – EURO International Films S.p.A.

「家族の肖像」
(c)Minerva Pictures


セテラ・インターナショナル見放題パック 3ヶ月 2,480円(税込)/15作品
https://www.uplink.co.jp/cloud/features/2411/

[見どころ]
セテラ・パックには名監督、巨匠、新しい才能の個性的な監督作品の一押しがずらりと並びました。
フランスのデプレシャン、イタリアのオズぺテク、巨匠作品としては、ロシアのソクーロフが描いた壮大な『ファウスト』、ドキュメンタリーのワイズマン、『バクダッド・カフェ』のパーシー・アドロンの意欲作『マーラー 君に捧げるアダージョ』。そして監督処女作でドイツアカデミー賞を総ざらいした『コーヒーをめぐる冒険』、フランスのセザール賞を獲得した『不機嫌なママにメルシィ!』『TOMORROW』などです。芸術、アート好きには『ナショナル・ギャラリー』や『セザンヌと過ごした時間』、そして映画の原点、クラシック作品ではフランスのエスプリ香るルネ・クレールを堪能できて、至宝ジェラール・フィリップ主演作品も3作品お楽しみいただけます。

「あの頃エッフェル塔の下で」
(c)JEAN-CLAUDE LOTHER – WHY NOT PRODUCTIONS

「マーラー 君に捧げるアダージョ」
(c)2010, Pelemele Film, Cult Film, ARD, BR, ORF, Bioskop Film GmbH


ミモザフィルムズ見放題パック 3ヶ月 2,480円(税込)/12作品
https://www.uplink.co.jp/cloud/features/2412/

[見どころ]
ミモザフィルムズ・パックでは、ヨーロッパを中心に名匠から新たに発掘された監督作品まで厳選された珠玉のラインナップをお届けいたします。まずは、大ヒットを記録した異色の長編ドキュメンタリー『大いなる沈黙へ ―グランド・シャルトルーズ修道院』。フランスのステファヌ・ブリゼ監督からは、尊厳死を描いた『母の身終い』とヴェネツィア国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞したモーパッサン原作の『女の一生』の2作品。イタリアから名匠ロベルト・アンドー監督の社会派ミステリー『修道士は沈黙する』や、実際に起きた誘拐事件を元にした『シシリアン・ゴースト・ストーリー』。
他にも、イザベル・ユペール主演の『アスファルト』やシンシア・ニクソン主演の『静かなる情熱 エミリ・ディキンスン』、全編手話で描かれカンヌ国際映画祭で批評家週間グランプリを受賞した話題作『ザ・トライブ』など、文芸作品からドキュメンタリーまで幅広い名作たちが揃いました。

「大いなる沈黙へ」
(c)A Philip Groning FilmProduction

「アスファルト」
(c) 2015 La Camera Deluxe – Maje Productions – Single Man Productions – Jack Stern Productions – Emotions Films UK – Movie Pictures – Film Factory


ムヴィオラ見放題パック 3ヶ月 2,480円(税込)/21作品
https://www.uplink.co.jp/cloud/features/2413/

[見どころ]
世界映画の最先端にいるアピチャッポン・ウィーラセタクン監督やワン・ビン監督、ツァイ・ミンリャン、チャン・ヤン、ソンタルジャといったアジアの才能、異形の天才アルベール・セラ、アフリカ系作家映画の旗手アラン・ゴミスなど刺激的な映画人の作品群と、イタリアのマルコ・トゥリオ・ジョルダーナやポーランドのクシシュトフ・クラウゼら名匠たちの挑戦的な作品、アンナ・ザメツカやホン・カウら今後の活躍が期待される若い映画人の作品、そしてシンプルに強く心に響く『オレンジと太陽』『もうひとりの息子』『すれ違いのダイアリーズ』など、多様な映画と多様な世界の扉を開く作品をあつめました。本邦初配信の作品を13本ラインナップしています。

「光の墓」
(c) Kick The Machine Films / Illuminations Films (Past Lives) / Anna Sanders Films / Geißendörfer Film-und Fernsehproduktion /Match Factory Productions / Astro Shaw (2015)

「鉄西区」
(c) Copyright 2002 by Wang Bing. All rights reserved.

 

⑤第2弾配信 5/22(金)15:00〜配信開始予定

下記8社を予定しています。
*事情により一部が第3弾配信となる場合があります。

彩プロ、アンプラグド、エスパース・サロウ、オンリー・ハーツ、サンリス、シンカ、ハーク、マジックアワー

 

⑥世界の映画人からの応援動画メッセージ

◆参加者名(アイウエオ順) 38名/20地域/ムービー編集:サニーフィルム
アピチャッポン・ウィーラセタクン 『世紀の光』『光りの墓』監督/タイ
アルノー・デプレシャン 『あの頃エッフェル塔の下で』監督/フランス
アンソニー・チェン 『イロイロ ぬくもりの記憶』監督/シンガポール
イザベル・コイシェ 『マイ・ブックショップ』監督/スペイン
エリック・クー 『家族のレシピ』監督/シンガポール
ギヨーム・ガリエンヌ 『不機嫌なママにメルシィ!』監督・俳優/フランス
ギヨーム・セネズ 『パパは奮闘中!』監督/ベルギー
ギヨーム・ブラック 『女っ気なし』『7月の物語』監督/フランス
ガブリエーレ・マイネッティ 『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』監督/イタリア
グー・シャオガン 『春江水暖』監督/中国
クリスティアン・クレーネス 『ゲッベルスと私』監督・プロデューサー/オーストリア
クリストファー・ドイル 『孔雀』監督『ある船頭の話』撮影監督
シャリファ・アマニ 監督・女優 『細い目』主演/マレーシア
シャリファ・アリアナ 監督・女優 『ムクシン』主演/マレーシア
シャリファ・アリシャ 監督 『ムアラフ』主演/マレーシア
ジュルジュ・ガショ 『ジョアン・ジルベルトを探して』監督/スイス
瀬々敬久 『ヘヴンズ ストーリー』『菊とギロチン』監督/日本
ソンタルジャ 『草原の河』『巡礼の約束』監督/中国(チベット文化圏)
ツァイ・ミンリャン 『あなたの顔』監督/台湾
中村由紀子 Bunkamura ル・シネマ 番組編成/日本
西澤彰弘 東京テアトル 映画興行部部長/日本
パーシー・アドロン 『バグダッド・カフェ』『マーラー 君に捧げるアダージョ』監督/ドイツ
パク・ジョンボム 『ムサン日記 白い犬』『波高』監督/監督
ハナ・マフマルバフ 『子供の情景』監督/イラン
バフマン・ゴバディ 『ペルシャ猫を誰も知らない』『サイの季節』監督/イラン(クルド)
ピーター・バラカン ラジオパーソナリティ/日本
ブリランテ・メンドーサ 『ローサは密告された』監督/フィリピン
フルーツ・チャン 『メイド・イン・ホンコン』『三人の夫』監督/香港
フロリアン・ヴァイゲンザマー 『ゲッベルスと私』監督/オーストリア
マチュー・アマルリック 『バルバラ〜セーヌの黒いバラ』監督『あの頃エッフェル塔の下で』俳優/フランス
マルズィエ・メシュキニ 『私が女になった日』監督/イラン
モフセン・マフマルバフ 『カンダハール』『独裁者と小さな孫』監督/イラン
ヨンジョンジャ 『巡礼の約束』プロデューサー・主演/中国(チベット文化圏)
リティ・パン 『消えた画 クメール・ルージュの真実』監督/カンボジア
ロベルト・アンドー 『修道士は沈黙する』監督/イタリア
吉澤周子 シネスイッチ銀座 編成担当/日本
LiLiCo 映画コメンテーター/日本
ワン・ビン 『鉄西区』『死霊魂』監督/中国

 

ステートメント

新型コロナウィルスの影響で、日本全国の人々、そして事業者の誰もがかつてない難局を迎えています。それは映画業界も同様です。13の特定警戒都道府県では映画館の休館がさらに続き、緩和容認や解除となった34県でも休館を続けざるを得ない映画館があり、再開できても以前のような集客は不可能で、やがてくる「第二波」「第三波」も想定すると、映画界にとって「コロナの時代」は長くなると覚悟せざるを得ません。

このような状況の中で、小規模映画館<ミニシアター>を守るための「ミニシアター・エイド基金」や、日本映像職能連合(映職連)の政府への補償要望書の提出など、数々のアクションが始められましたが、私たち、独立系配給会社も、この難局を乗り越えるために何をすべきか模索してきました。

配給会社は、映画館や監督・俳優たちと違って、直接的に観客と触れ合うことの少ない、黒子の存在です。洋画の場合で言えば、まず映画を発見し、買い付けをし、日本全国の映画館に上映を依頼し、宣伝し、映画を公開し、DVD・VOD・テレビでも映画を見てもらえるように活動します。そして、大手配給会社と比べると、独立系配給会社は収益の多くを映画館収入から得ており、その映画館の多くは、小さくとも存在感のある全国のミニシアターです。また、アメリカ映画や邦画だけでなく世界中のさまざまな地域の映画を紹介している点も独立系の特色です。収益から製作者にお金を戻すことで、世界中の製作者の次の映画への一助ともなってきました。

映画館に観客が行けない今、独立系配給会社にはほとんど収入がありません。しかし、私たちがここで倒れては、ミニシアターに映画を届けることができなくなり、世界の映画人が日本の観客に映画を見てもらう機会が失われてしまいます。そして小さな会社といえど、私たちにも大切なスタッフがいて、字幕翻訳者、グラフィックデザイナー、予告編制作者、webデザイナー、パブリシスト、通訳など多くの仕事仲間がいるのです。もちろん、国や自治体の補償を訴えることも大切ですが、待っていては倒産する配給会社も出るでしょう。私たち自身の足で立って、歩かなければなりません。

私たちの財産は、映画しかありません。世界の多様な映画です。配信で、そうした多様な映画を見てもらうことで観客の力を借り、この難局を乗り越えたいと思うのです。配信は過去作に限り、あくまで新作は映画館で公開してミニシアター映画館の収益を確保しながら、過去作の配信によって少しでも経営を安定させ、映画館や仕事仲間達と築いてきたこの事業の継続を目指したいと考えています。

そしてこのプロジェクトによって、今まで見えにくかった「映画配給」という仕事を一般の方々にも知っていただき、各配給会社の個性も感じていただきながら、いま、世界中の国々が物理的な鎖国状況にある中で、映画で世界とつながることの価値を感じていただけたらと願っています。

2020年5月
「Help! The 映画配給会社プロジェクト」発起人:キノローグ、クレストインターナショナル、ザジフィルムズ、サニーフィルム、セテラ・インターナショナル、チャイルド・フィルム、ミモザフィルムズ、ムヴィオラ

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