『クレッシェンド 音楽の架け橋』『愛と哀しみのボレロ』ほか、時代を超える名曲「ボレロ」が流れる映画4作品を紹介!

クレッシェンド 音楽の架け橋

世界各国の映画祭で上映され、4つの観客賞に輝いた映画『クレッシェンド 音楽の架け橋』が1月28日(金)より全国公開される。

“世界で最も解決が難しい”とされる紛争で今この時も闘うパレスチナとイスラエルから、音楽家を夢見る若者たちを集めてオーケストラが結成される──。現実にはあり得ない物語に見えるが、実在の巨匠指揮者ダニエル・バレンボイムが率いる管弦楽団へのインスパイアから生まれたという驚きの映画が完成した。

若者たちの対立と葛藤、恋と友情を彩るのは、誰もが知るクラシックの名曲の数々。和平コンサートが目前に迫った21日間の合宿で、激しく憎しみをぶつけ合う団員たち。ラストに待つ、誰も想像しなかった“魂の演奏”とは──?ヨーロッパからアメリカまで、様々な地域の国際映画祭で上映され、熱い喝采のもと4つの観客賞に輝いた感動作が、ついに日本でも奇跡のハーモニーを奏でる。

クレッシェンド 音楽の架け橋

本作は、ヴィヴァルディの「四季」より〈冬〉パッヘルベルの「カノン ニ長調」と、数々のクラシックの名曲で彩られている。その中でもきっと強く印象に残るのは、ラヴェル「ボレロ」であろう。誰しもが聞き覚えのあるであろうフレーズで始まるこの曲は、一定のリズムが刻まれ、たった2つの旋律の繰り返しで構成されるシンプルながらも壮大な楽曲だ。次々と違う楽器へとバトンを渡しつつ、徐々に音量を増していき、最後は大音響とともにクライマックスを迎えることから「世界一長いクレッシェンド」と言われることもある。

▼ラヴェル「ボレロ」
ダニエル・バレンボイム指揮:ウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団BBCプロムス2014より

誕生から90年経つ今も、世界中から愛され続けている「ボレロ」。元々はバレエ音楽だが、オーケストラコンサートの人気曲で、今年の東京フィルハーモニー交響楽団のニューイヤーコンサートでも演奏された。映画でも多くの作品が「ボレロ」を劇中で採用しており、同一の曲であるにもかかわらず、まるで違う印象を作品に与えている。今回は、そんな聴く人も観る人も虜にする、「ボレロ」が流れる映画4作品をご紹介

『クレッシェンド 音楽の架け橋』(2019年/ドイツ製作)
実在の管弦楽団へのインスパイアから生まれた、世界中の映画祭で観客賞に輝いた感動作。長きにわたり紛争が続くイスラエルとパレスチナから、音楽家を夢見る若者たちを集めて結成した和平オーケストラ。彼らがコンサートで演奏する演目の一つが「ボレロ」だ。曲全体が「クレッシェンド」で構成される「ボレロ」は、若い音楽家たちの人間的成長が描かれる本作をまさに象徴している。

『愛のむきだし』(2008年/日本製作)
『冷たい熱帯魚』(11)や『ヒミズ』(12)の鬼才・園子温が237分の長尺で描いた奇想天外なラブストーリー。主演を西島隆弘(「AAA」)、ヒロインを満島ひかりが演じる。主人公ユウが運命の女ヨーコに出会うまで、ある理由から様々な“罪作り”を繰り返す場面で「ボレロ」が度々流れる。同じ旋律の繰り返しが功を奏し、2人がついに出会うシーンで楽曲が最高潮に。そして作品タイトルが出てくるという、波乱の物語の幕開けを感じさせる劇的な演出になっている。

『マジック・イン・ムーンライト』(2014年/アメリカ・イギリス製作)
ウッディ・アレン監督が1920年代の南仏リゾート地を舞台に描く、コリン・ファース、エマ・ストーン出演のロマンティックコメディ。「ボレロ」が流れるのは、天才的な腕前のマジシャン、スタンリーのマジックショー。盛り上がりを見せる人体切断マジックのバックミュージックに演奏され、英国人のスタンリーが中国人に扮してマジックをするという怪しさが漂うショーではあるが、会場の荘厳さとオーケストラの曲が相まって優雅さを醸し出している。

『愛と哀しみのボレロ』(1981年/フランス製作)
半世紀の時を超え、運命の糸に結ばれた四家族の物語。ベルリン、モスクワ、パリ、ニューヨークを舞台に、ルドルフ・ヌレエフ(バレエダンサー)、エディット・ピアフ(歌手)、ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮者)、グレン・ミラー(音楽家)といった芸術家たちをモデルに作られた超大作メロドラマ。管弦楽曲として演奏されることの方が多い「ボレロ」が、元々のバレエ作品として再び脚光を浴びることになったのがこの『愛と哀しみのボレロ』。20世紀最高の振付師モーリス・ベジャールによる“ボレロ”が大きな話題を呼んだ。

ストーリー
世界的に有名な指揮者のエドゥアルト・スポルクは、紛争中のパレスチナとイスラエルから若者たちを集めてオーケストラを編成し、平和を祈ってコンサートを開くというプロジェクトを引き受ける。オーディションを勝ち抜き、家族の反対や軍の検問を乗り越え、音楽家になるチャンスを掴んだ20余人の若者たち。しかし、戦車やテロの攻撃に晒され憎み合う両陣営は激しくぶつかり合ってしまう。そこでスポルクは彼らを南チロルでの21日間の合宿に連れ出す。寝食を共にし、互いの音に耳を傾け、経験を語り合い…少しずつ心の壁を溶かしていく若者たち。だがコンサートの前日、ようやく心を一つにした彼らに、想像もしなかった事件が起きる──。

作品タイトル:『クレッシェンド 音楽の架け橋』
出演:ペーター・シモニシェック(『ありがとう、トニ・エルドマン』)、ダニエル・ドンスコイ(「ザ・クラウン」「女王ヴィクトリア 愛に生きる」)、サブリナ・アマーリ
監督:ドロール・ザハヴィ
脚本:ヨハネス・ロッター、ドロール・ザハヴィ
2019年/ドイツ/英語・ドイツ語・ヘブライ語・アラビア語/112分/スコープ/カラー/5.1ch/原題:CRESCENDO #makemusicnotwar/日本語字幕:牧野琴子/字幕監修:細田和江
配給:松竹

公式サイト:movies.shochiku.co.jp/crescendo/
公式Twitter:https://twitter.com/Crescendo_movie
コピーライト:(C) CCC Filmkunst GmbH

1月28日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル池袋ほか全国公開

関連記事:
『クレッシェンド 音楽の架け橋』ヴァイオリニスト廣津留すみれさん、紛争地でのハーバードオーケストラの経験語る
『クレッシェンド 音楽の架け橋』本編映像&新場面写真解禁!民族の対立を越えた楽団員2人の恋の行方は ―1/28公開
『クレッシェンド 音楽の架け橋』出演&ミュージシャンとしても活躍!俳優ダニエル・ドンスコイの新場面写真解禁
『クレッシェンド 音楽の架け橋』世界が涙した“悪ふざけお父さん”トニ・エルドマン、 今作では真逆の“カリスマ指揮者”に
『クレッシェンド 音楽の架け橋』本編映像解禁!外からは爆撃音…催涙ガスに驚きの方法で対抗するヴァイオリニスト
【応募終了】ゲストにヴァイオリニストの廣津留すみれさん『クレッシェンド 音楽の架け橋』特別試写会に5組10名様☆
『クレッシェンド 音楽の架け橋』ステージには大きな白いスクリーンが…「目隠しオーディション」とは!?本編映像到着
『クレッシェンド 音楽の架け橋』「四季」「ボレロ」が胸に迫る本予告解禁!黒柳徹子、山田洋次ら著名人コメントも到着
『クレッシェンド 音楽の架け橋』紛争で敵対する若者たちで結成されたオーケストラ―実在の楽団にインスパイアされた感動作

↑上に戻る