『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』フランソワ・オゾン監督インタビュー特別映像解禁! ―本日7/17(金)全国公開

ベルリン国際映画祭 銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞したフランソワ・オゾン監督による最新作『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』が、いよいよ本日7月17日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開となる。

この度、オゾン監督の貴重なインタビュー映像が解禁となった。

今やフランス映画界のトップにして最先端に立つオゾン監督が、初めて実話に基づいた物語に挑み、ヨーロッパを震撼させた神父による児童への性的虐待事件の真相に迫った本作。

事件の裁判は現在も係争中で、渦中の神父から上映差し止めを訴えられたという、オゾンの華麗なるキャリアでは前代未聞の事態へと発展した話題作がついに日本にも旋風を巻き起こす。

「実在の関係者にあって映画化の意思を伝えると、最初に出た言葉は「フランス版“スポットライト”」だ」とオゾン監督は語る。

本作について「リヨンで起きた実話から、本作は着想を得ている。きっかけは偶然だった。男性のもろさを描く作品を描きたいと思っていて、題材を探す中でロビー団体のサイトを見つけた。多くの証言の中にアレクサンドル(本作の主人公)のものもあった。カトリック教徒の彼は幼少期に自分に性的虐待し、未だ活動を続ける神父を告発したという。連絡をとって彼に会うと大量の資料を見せてくれた。すぐに事件に引き込まれたよ」と、当時を振り返る。

現実の出来事に最大限に忠実であろうとしたオゾン監督は、「リアリティを重視して、語り手が変わっていく構成になっている。まずアレクサンドルが沈黙を破り、教会に訴える。フランソワが引き継ぎ、記者会見を開きメディアに訴える。そして3人目が法的手段に訴える。3人の話が次から次へと切り替わることで、連鎖反応が起こり、ドミノ効果が生まれる」と、人々が連携していく姿を描きたかったと監督の意図を明らかにした。

最後に「これは世界に議論を促す映画だ。映画には政治的側面があり、世間を変えられずとも、関心を高める力がある。本作はコミュニティや人々の葛藤を描いているので、政治的にならざるを得ない。しかし私は宣伝映画を作ったわけではない。本作を作った目的は問題提起だ。ある質問で終わることで人々に考えてもらい、物事を変える議論をしてもらいたい。小児異性愛や性的虐待にある沈黙の掟を変えてもらいたい」と本作への強い想いを語り、締めくくった。

フランスでは連日テレビやラジオで報道され、誰もが知る「プレナ神父事件」を基にした本作は、公開されるやいなや91万人を動員する大ヒットを記録した。事件のあらましだけではなく、その内部に観客を導き、心揺さぶるヒューマンドラマとして魂を吹き込む。最後に映し出された男たちの瞳の中にある、オゾンからの鋭い問いかけと深いメッセージを、是非劇場で確かめたい。

グレース・オブ・ゴッド 告発の時

イントロダクション
2016年1月に捜査が開始された「プレナ神父事件」は、ある一人の告発がきっかけで80人にも上る証言が集まり、プレナ神父は担当する教区を変えながら長年にわたって信者家庭の少年たちに性的暴力を働いていたという驚くべき事実が白日の下にさらされた。2020年3月の一審で、プレナに禁固刑5年が求刑されている。

本作の物語は、20年、30年経っても、なお虐待のトラウマに苦しむ男たちが、告発するまでの〈葛藤〉と、告発したことによる周囲との軋轢という〈代償〉、それでも告発によって確かに生まれた〈希望〉を紡ぎ出す。あらためて男女の差なく人生を破壊する性的虐待という暴力の恐ろしさと、そこから再生していく人間の力強さ、そしてそれを支える家族の愛が描き出され、まさに人間という存在の光と闇が、ここにある。

出演は、若き天才グザヴィエ・ドラン監督の『わたしはロランス』で圧倒的な存在感と美しさを発揮したメルヴィル・プポー、『ブラッディ・ミルク』でセザール賞を受賞したスワン・アルロー、ヴェネチア国際映画祭で監督賞を受賞した『ジュリアン』の父親役が記憶に新しい実力派のドゥニ・メノーシェ。本作で3人揃ってセザール賞にノミネートされ、心をうがつ傷を繊細かつリアルな演技で表現したアルローが見事助演男優賞を獲得した。

グレース・オブ・ゴッド 告発の時

ストーリー
妻と子供たちと共にリヨンに住むアレクサンドルは、幼少期に自分を性的虐待したプレナ神父が、いまだ子供たちに聖書を教えていることを知り、家族を守るため過去の出来事の告発を決意する。最初は関りを拒んでいたフランソワ、長年一人で傷を抱えてきたエマニュエルら、同じく被害にあった男たちの輪が徐々に広がっていく。しかし、教会側はプレナの罪を認めつつも、責任は巧みにかわそうとする。
アレクサンドルたちは信仰と告発の狭間で葛藤しながら、沈黙を破った代償──社会や家族との軋轢とも戦わなければならなかった。果たして、彼らが人生をかけた告発のゆくえは──?

作品タイトル:『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』
出演:メルヴィル・プポー、ドゥニ・メノーシェ、スワン・アルロー、ジョジアーヌ・バラスコ、エレーヌ・ヴァンサン
監督/脚本:フランソワ・オゾン『しあわせの雨傘』『彼は秘密の女ともだち』『2重螺旋の恋人』
2019年/フランス/2時間17分/カラー/ビスタ/5.1ch/原題:Grâce à Dieu/日本語字幕:松浦美奈
映倫区分:G
提供:キノフィルムズ
配給:キノフィルムズ/東京テアトル

公式サイト:www.graceofgod-movie.com
コピーライト:(c)2018-MANDARIN PRODUCTION-FOZ-MARS FILMS–France 2 CINÉMA–PLAYTIMEPRODUCTION-SCOPE

7月17日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開

↑上に戻る