福士蒼汰と福原遥がW主演を務める映画『楓』の劇中歌として、スピッツの「楓」が複数のアーティストによりカバーされることが明らかになり、第一弾のカバーアーティストが十明(とあか)に決定した。併せて楽曲が流れるフィーチャレット映像と、十明、行定勲監督、そして音楽を担当したYaffleからのスペシャルコメントも公開された。

スピッツの「楓」を原案にした本作は、行定が監督を務め、『ソラニン』『東京リベンジャーズ』の髙橋泉が脚本を担当。そして音楽はYaffleが担う。物語の主人公を演じるのは、福士と福原。双子の弟・恵を失った涼(福士)が、残された恵の恋人・亜子(福原)の前で弟のフリをしてしまうところから始まる、2人の切ない運命を描く。
十明はTikTokに投稿した弾き語り動画をきっかけに、RADWIMPSの野田洋次郎に見出され、彼らが音楽を手がけた映画『すずめの戸締まり』の主題歌「すずめ feat.十明」のボーカリストとして参加し、大きな注目を集めた。その後も、映画『違国日記』のインスパイアソング「夜明けのあなたへ」や、フジテレビ系月9ドラマ「絶対零度~情報犯罪緊急捜査~」の主題歌に書き下ろしの新曲「GRAY」が決定するなど、話題作とのタイアップが続いている。
この度公開されたフィーチャレット映像は、十明が透明感あふれる歌声で「楓」を披露する様子が収められている。本映像は、十明によるカバー楽曲を、楓の花言葉でもある“美しい変化”をヒントに、「楓」という楽曲、そして物語と出会うことで起こる心の変化=“化学反応”というコンセプトのもと構成されている。
映像の冒頭では、「純粋にうれしかったし、すっごくビックリしました!」と、今回のオファーを受けた際の心境を振り返る十明。「楓」という楽曲への深い想いを語りながら、行定監督と真剣な表情で打合せをしたり、レコーディングに臨む様子など、前半は等身大な彼女の姿が映し出されている。
映像後半では、まっすぐな表情で十明が歌う透明感に満ちた「楓」のメロディーに呼応するように、劇中の切なさが滲む印象的なシーンが次々と重なる。特に、今回映像内でフォーカスされるのは、福原演じる亡くなった恵の恋人・亜子の様々な表情。恋人の恵を失くしたショックで混乱し、目の前に現れた兄の涼を恵だと思い込んでしまう亜子。病室で不安そうな表情の亜子や、泣きながら涼(福士)に駆け寄る亜子、心を落ち着けるように自分の頭に手を添える亜子など、揺れ動く感情が観るものに伝わり、物語の後半で明かされる、誰にも打ち明けられない亜子の“秘密”に迫る映像となっている。
また、登場人物たちの表情だけでなく、望遠鏡、カメラ、ポストカードなど本作を象徴するモチーフ、そして夜明けの海辺の空などの美しい風景が繊細に織り込まれている。
十明 コメント

「楓」という作品は、かつての大切な人たちと過ごした時間を思い出させてくれました。
もう二度と訪れないと分かっているはずなのに、目の前の現実と重ねてしまう。
心の奥にしまったはずの幸せな思い出が溢れて出てしまう。
胸が苦しくいっぱいになるけれど、悲しみも切なさも、愛おしさも全て抱きしめて、今を生きていこうと思うことができる素敵な作品でした。
この映画がたくさんの人の心と重なり合いますように。
行定勲監督 コメント

この『楓』を撮るにあたり、映画の最後で流れるスピッツのフルコーラスへと繋がっていくように、
劇中で「楓」の楽曲をリフレインさせてはどうだろうかと提案しました。
それにおいては今回のカバーアーティストによる声も欠かせない存在でした。
映画の中では、運命的な楽曲「楓」が流れるたびに、登場人物たちが心の奥に隠し持っていた記憶が呼び覚まされます。
その中盤のクライマックスシーンの導入にふさわしい声として、十明さんに「楓」を歌っていただきました。十明さんの透明感のある声には、語りかけるように聴く人をいざなう力があります。
スピッツの歌、特に『楓』には“生と死の境界線”にあるような感覚が宿っていると感じています。本作で描いているのは現世を生きている人たちの姿ですが、どこか魂の目線から見つめているようでもあり、生と死、現と彼方が表裏一体になっています。
十明さんがまっすぐに「楓」を歌う姿は、まるでその境界に立って歌っているかのようで、作品の世界観に深く寄り添ってくれたと感じています。
Yaffle コメント

この楽曲の構造的な強度がまた違った角度で伝わるように簡素で冗長性が高いものになるように意識しました。十明さんの陰を帯びた清廉な歌声が慈愛のように曲全体を優しく包んでくれています。レコーディング中もどんどん感覚を掴んでいったようでとても素晴らしかったです。
ストーリー
須永恵(福士蒼汰)と恋人の木下亜子(福原遥)は、共通の趣味の天文の本や望遠鏡に囲まれながら、幸せに暮らしていた。しかし朝、亜子を見送ると、恵は眼鏡を外し、髪を崩す。実は、彼は双子の弟のフリをした、兄・須永涼だった。1ヶ月前、ニュージーランドで事故に遭い、恵はこの世を去る。ショックで混乱した亜子は、目の前に現れた涼を恵だと思い込んでしまうが、涼は本当のことを言えずにいた。幼馴染の梶野(宮沢氷魚)だけが真実を知り涼を見守っていたが、涼を慕う後輩の日和(石井杏奈)、亜子の行きつけの店の店長・雄介(宮近海斗)が、違和感を抱き始める。二重の生活に戸惑いながらも、明るく真っ直ぐな亜子に惹かれていく涼。いつしか彼にとって、亜子は一番大事な人になっていた。一方、亜子にもまた、打ち明けられない秘密があったー。
『楓』
出演:福士蒼汰 福原遥 宮沢氷魚 石井杏奈 宮近海斗 大塚寧々 加藤雅也
監督:行定勲
脚本:髙橋泉
原案・主題歌:スピッツ「楓」(Polydor Records)
音楽:Yaffle
プロデューサー:井手陽子 八尾香澄
製作幹事:アスミック・エース/東映
制作プロダクション:アスミック・エース C&Iエンタテインメント
2025/日本/カラー/120分/シネスコ/Dolby5.1c
配給:東映/アスミック・エース
(C)2025 映画『楓』製作委員会
https://kaede-movie.asmik-ace.co.jp
12月19日(金)全国公開
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