桜木紫乃原作『ホテルローヤル』主演に波瑠 ―人間の抱える欲望や優しさ、悲哀を丁寧に救い上げる珠玉の人間ドラマ

ホテルローヤル第149回直木賞受賞作、桜木紫乃の自伝的代表作の映画化『ホテルローヤル』が2020年冬に公開される。

この度、波瑠が主演を務めることが発表された。
連続テレビ小説「あさが来た」をはじめ、ドラマ「あなたのことはそれほど」「G線上のあなたと私」、映画『オズランド 笑顔の魔法おしえます。』など、ドラマ・映画と多彩な作品でその存在感を示し、3月に公開された『弥生、三月 -君を愛した30年-』では監督を務めた遊川和彦が惚れ込みオファーをするなど、ー流の仕事人たちから絶大なる支持を受け主演オファーが絶えない実力派女優だ。

波瑠が今回演じるのは、北海道・釧路湿原を背にして建つ小さなラブホテル「ホテルローヤル」の経営者の一人娘・田中雅代。美大受験に失敗し、どことなく居心地の悪さを感じながら、家業であるホテルの仕事を手伝うことになっていく役どころ。ひとときの“非日常”を楽しみ、安らぎと寂しさを胸にホテルを後にする客たちを、少し冷めた目線で眺めながら仕事に励むという難しい心情を繊細に表現している。

原作者の桜木紫乃は「波瑠さんに、ホテルローヤルのひとり娘、雅代を演じていただいた。誰にも心を見せず開かず、無表情を貫き、黙々とラブホテルの掃除をする彼女の姿は、苦しくなるほどリアルでした。」と、自身を投影した役でもある雅代を演じた波瑠へ惜しみない賞賛のコメントを寄せている。

ホテルと共に大人になっていく雅代の目線を主軸に、ホテルを訪れる人々や従業員、経営者家族それぞれが抱える人生の哀歓をやわらかく描いた珠玉の人間ドラマだ。

 

波瑠 コメント
ラブホテルで働く人と訪れる人がいて、そこにうまれる微妙な温度差を役者さんたちがどんな風に表現するのかととても楽しみになる脚本でした。
撮影期間は、素敵な共演者のみなさんでとても楽しかったです。私が演じた雅代はちょっと周りに馴染めないところがあるので、もっと皆さんと仲良くなりたいなと思いながら我慢していました。
雅代はどこかいつも傍観者というか、起こる状況の中心にはいない人で。それも自覚していてどこかコンプレックスだったりもして。いつも所在なさげで可哀想にも思えるけど、悲劇のヒロインにはなりきれないような曖昧さだったり、中途半端にも見えるところが彼女の人間味になればいいなと思って演じていました。

 

イントロダクション 
原作は2013年に第149回直木賞を受賞し、累計発行部数85万部(電子書籍を含む)を超える桜木紫乃の自伝的代表作。発売元の集英社で「ここ5年で発売した中で最も売れた」単行本・電子書籍としても知られ、今なお性別を超えて多くの読者を獲得している。

ホテルローヤル

桜木自身の生家でもある北海道の釧路湿原に立つラブホテルを舞台に、現在から過去へ時間軸を遡り、ホテルの盛衰とそこを訪れる人々の生と性を、切なくも瑞々しいタッチで描いた七編からなる連作小説。映画では、原作の持つ静謐な魅力をそのままに、閉塞感のある日常を離れ、ホテルローヤルの扉をひらく男と女、問題を抱える経営者家族・従業員のそれぞれの人生模様がホテルの経営者家族の一人娘・雅代を主軸として繊細に綴られる。

メガホンをとるのは、『百円の恋』(14)で日本アカデミー賞をはじめ国内外の各映画賞を総なめにし、その後も『きばいやんせ!私』(19)などで一本芯の通った女性像を描いてきた武正晴監督。『嘘八百』(18)、『銃』(18)、『嘘八百 京町ロワイヤル』(20)、Netflix「全裸監督」の総監督と精力的に作品を手がける日本映画屈指の才能が、いよいよ直木賞原作の映画化に挑む。脚本は、現在放送中のNHK連続テレビ小説「エール」を手掛ける清水友佳子

人間の抱える欲望や優しさ、悲哀を丁寧に救い上げる珠玉の人間ドラマが、いよいよ2020年冬に公開となる。

作品タイトル:『ホテルローヤル』
出演:波瑠
監督:武 正晴
脚本:清水友佳子
原作:桜木紫乃「ホテルローヤル」(集英社文庫刊)
製作:「ホテルローヤル」製作委員会
製作幹事:メ~テレ、ファントム・フィルム
配給・宣伝:ファントム・フィルム

公式サイト:https://www.phantom-film.com/hotelroyal/
コピーライト:(C)桜木紫乃/集英社 (C)2020映画「ホテルローヤル」製作委員会

2020年冬、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー

 

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