パルムドール受賞『パラサイト 半地下の家族』ポン・ジュノ監督作品の魅力を徹底解剖!日本の漫画との深いつながりも!?

パラサイト 半地下の家族

今年のカンヌ国際映画祭で、審査員満場一致で【最高賞】パルムドールに輝いたポン・ジュノ監督最新作『パラサイト 半地下の家族』が2020年1月全国公開となる。

全員失業中の貧しい一家とIT企業を経営する裕福な社長一家という相反する2つの家族の出会いから想像を遥かに超える展開へと加速していく物語は、既に韓国動員1,000万人突破、フランス動員160万人突破ほか、各国で動員記録を塗り替える爆発的な盛り上がりをみせている。その後もオスカー前哨戦ともいわれるトロントや、ニューヨークなど各国の映画祭で絶賛&受賞を重ね、第92回アカデミー賞(R)での受賞も有力視されている。

パラサイト 半地下の家族今年100年目の記念年を迎えた韓国映画界に、初めてのパルムドールをもたらした本作。現代社会が抱える問題をも内包しつつ、ユーモア、サスペンス、アクション…映画すべての要素を完璧に融合させながらツイストの効いた展開で描き切った。

物語の構成だけでも超一級のエンターテインメント作品として、申し分ないが、それに加えて「ボンテール(ポン・ジュノ+ディテール)」も余すことなく堪能できる、と評論家たちも声を揃える。「ボンテール」とは、役者の台詞や動き、小道具、背景など画面に映し出されているあらゆる要素に、メッセージを込める監督の繊細さとち密さを称賛するため、メディアや評論家が生み出した造語。本作でも、前半に出てきたアイテムが、後半に思いもよらない展開で登場する…!?何度見ても新たな発見があるのが、魅力のひとつだ。

無類の日本漫画好きとしても知られるポン・ジュノ監督。もともと、漫画家を志していたこともあり、今も映画の撮影前には、緻密な絵コンテを描き、イメージを明確に表現することでも知られている。そんなポン・ジュノ監督にまつわるエピソードとして代表的なのが、名匠パク・チャヌク監督に、土屋ガロン,嶺岸信明著の漫画「ルーズ戦記 オールドボーイ」を読むようお薦めしたという話。のちにカンヌ国際映画祭グランプリ受賞を果たした傑作『オールド・ボーイ』を、ポン監督がアシストしていた。

そんなポン・ジュノ監督の過去作も、一筋縄ではいかない考え抜かれた設定のものばかり。目の離せない衝撃的なアクションやサスペンスがありながらも、現代社会に通じるテーマが必ず隠されている。一方、明るくキャラの濃い登場人物たちの姿に、思わずクスりと笑ってしまうユーモアも織り込まれており、日本人なら誰もが親しみを感じる“漫画”の趣も色濃く感じさせる。普段映画を観慣れない人でも、一度観たらその作風にどっぷりはまってしまうこと間違いなし。最新作日本公開の機会に、これまでのポン・ジュノ監督作品も併せてチェックしてみては。

見逃せない ポン・ジュノ監督代表作

●『殺人の追憶』(03)
先日、30年の時を経て真犯人が判明したことでも話題となった、実際の未解決連続殺人事件に着想を得たサスペンス。犯人を突き止めようとする刑事たちの前に、衝撃の結末がおとずれる。ポン・ジュノの名を世に知らしめた代表作。ソン・ガンホとの初タッグ作。

●『グエムル 漢江の怪物』(06)
アメリカ軍が実際に有害な薬品を韓国・漢江に流した実際の事件がモチーフとなっており、薬品の流出により生まれた謎の怪物に拉致されてしまった少女を救うべく、ふがいない父親が奔走する。韓国では、当時歴代動員1位を記録するメガヒットを記録。

●『母なる証明』(09)
息子の容疑を晴らすため真相に迫ろうとする、母の狂気に近い盲愛を描いた。ウォンビンが息子を演じたことでも話題となった。国内外で20を超える賞を受賞、世界中の映画ファンに衝撃を与えた。

●Netffixオリジナル映画「オクジャ/okja」(17)
謎の怪獣オクジャを親友である少女ミジャが巨大な多国籍企業から守ろうとするアクションアドベンチャー。資本主義における食肉産業の闇を描いた。ネット配信作品としてははじめてカンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、パルムドールを争ったことでも話題を呼んだ。

ストーリー
全員失業中で、その日暮らしの生活を送る貧しいキム一家。長男ギウは、ひょんなことからIT企業のCEOである超裕福なパク氏の家へ、家庭教師の面接を受けに行くことになる。そして、兄に続き、妹のギジョンも豪邸に足を踏み入れるが…この相反する2つの家族の出会いは、誰も観たことのない想像を超える悲喜劇へと猛烈に加速していく――。

作品タイトル:『パラサイト 半地下の家族』
出演:ソン・ガンホ、イ・ソンギュン、チョ・ヨジョン、チェ・ウシク、パク・ソダム、イ・ジョンウン、チャン・ヘジン
監督:ポン・ジュノ(『殺人の追憶』『グエムル-漢江の怪物-』)
撮影:ホン・ギョンピョ
音楽:チョン・ジェイル
2019 年/韓国/132 分/PG-12/2.35:1
英題:PARASITE
原題:GISAENGCHUNG/
提供:バップ、ビターズ・エンド、テレビ東京、巖本金属、クオラス、朝日新聞社、Filmarks
配給:ビターズ・エンド

公式サイト:http://www.parasite-mv.jp/
コピーライト:(C) 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED

2020年1月、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー!


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