【レポート】『酔うと化け物になる父がつらい』作品を鑑賞し大号泣の原作・菊池真理子、トークイベントで片桐監督を絶賛!

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アルコールに溺れる父を持った作者・菊池真理子の実体験に基づくコミックエッセイを原作とした映画『酔うと化け物になる父がつらい』が3月6日(金)より新宿武蔵野館ほかにて公開となる。

本作で主人公・田所サキを演じるのは、TBS日曜劇場「この世界の片隅に」(18)で注目を浴びて以降、主演映画が立て続けに公開され、大活躍中の女優・松本穂香。酔うと“化け物”になるサキの父・田所トシフミを演じるのは、唯一無二の存在感で引っ張りだこの実力派・渋川清彦。さらに、ともさかりえ今泉佑唯恒松祐里濱正悟浜野謙太といった注目の俳優陣が集結した。

監督を務めるのは、自身初の長編映画となった『ルームロンダリング』(18)で注目を浴び、第101回ザ・テレビジョンドラマアカデミー賞監督賞を受賞するなど話題を集めたドラマ24「きのう何食べた?」(19/TX)でも監督を務めた新鋭・片桐健滋。「涙がとまらない」と圧倒的な反響を呼んだ原作の雰囲気を守りつつ、オリジナル要素を加え、つらい体験や哀しい出来事をコミカルに描いている。

そして2月26日(水)、アキバシアターにてトークイベントが開催され、ゲストとして片桐健滋監督と原作者の菊池真理子が登壇した。

『酔うと化け物になる父がつらい』監督×原作者トークイベント 概要

日時:2月26日(水)20:40~21:10
登壇者(※敬称略):片桐健滋監督、原作・菊池真理子
会場:アキバシアター

まず、映画化の話を聞いた時の率直な気持ちを尋ねられると菊池「ただひたすらびっくりしました」と吐露。これまでも原作のある作品を手掛けている片桐監督も、「僕も、難しいというのが最初の印象でした。菊池先生の体験をお預かりすることになるので、緊張感がありました」と明かした。今回の映画化にあたって、事前に菊池から「きれいな家族愛の話にはしないでください」とリクエストあったそう。さらに片桐監督が菊池に「お父様がご存命だったらどんな言葉を聞きたいですか?」と質問をしたところ「謝ってほしい」という答えだったそうで、「その2点を意識して作品を作りました」と語った。

酔って化け物となる父・トシフミ役を演じた渋川清彦、またそれに振り回される娘サキ役を演じた松本穂香のキャスティングの経緯について話が及ぶと、片桐監督「父親役は愛嬌があってどこかユーモラスに見える、笑顔がチャーミングな方にお願いしたいと思い渋川さんにオファーしました。また、松本さんは以前別作品のオーディションでお会いしたことがあり、困った顔があまり深刻にならないところが良いなと感じてお願いしました」と明かした。撮影現場にも足を運んだという菊池「松本さんは、役柄ではなく彼女自身としてTVで拝見したときとそのままの印象でした。渋川さんは、とにかくすごく気さくに話しかけてくださり、フランクでオープンな方だなと思いました」とそれぞれの印象を語ると、片桐監督「渋川さんが実際にお酒を飲んで撮影に臨みたいとおっしゃったので、やりたいのであればどうぞと伝えました」と笑って明かし、「でも緊張して結局撮影中は酔わなかったそうです」と裏話を披露した。

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ちょうど1年ほど前に撮影がスタートしたという本作。最初に出来上がった本編を観たときの感想を聞かれた菊池「原作とはキャラクターの名前も違うし、冷静に観られるかなと思っていたんですがそんなことは全く無理で、まるで走馬灯を観ているようでした。斜に構えて観るつもりが大号泣してしまいました」と告白。そしてそんな中、片桐監督と話をしたかったそうだが、「監督に逃げられてしまいました」と明かし、片桐監督「菊池先生が泣いていると知って、ダメだったのか良かったのかわからず逃げちゃいました」と当時を振り返り、会場は笑いに包まれた。それに対し菊池「監督とはその後何度かお会いするようになって、1年かけてようやく慣れてくれましたね」と話し、すっかり打ち解けた様子で息の合った掛け合いを見せた。

原作にはなかった映画オリジナルの描写として、「カレンダー」が重要なアイテムになっていることについて聞かれると、片桐監督「限られた時間の中で先生が生きてきた30年を凝縮しなければならず、観客の方に時間の経過をわかりやすく伝えるために「カレンダー」を使いました。娘が、父親が飲む度に「×」を付けていくのだけどいつしかそれもしなくなったときに、父親がそれを見て自分がやってしまった取り返しのつかないことに気付いていくというような流れが描ければと思いました」と、その意図を説明した。

本作のタイトルにもある、化け物化する父親が「つらい」という言葉に対して、“怖い”や“嫌い”ではなく“つらい”という言葉のセレクトに、観た方たちからの反響が多いことが伝えられると、菊池「父のことを“良い”とも“悪い”とも言えない気持ちを表す言葉だったと今では気付いたのですが、実は「父親のことを“嫌い”と言わないでくれてありがとうございます」と依存症の患者さんからも言われたことがあります」と話し、原作のタイトルへ込めた思いを語った。さらに、「映画の中では娘からだけの一方的な視点ではなく、父親からの視点も取り入れてくださったことで、父親を断罪するような作品にならなかったと思っていて、ありがたいと思っています」と監督への感謝を伝えた。

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最後に、本作をこれから観られる方に本作をどういう風に受け取ってほしいかと尋ねられると菊池「観たまま感じてくれたらいいなと思っています」と話し、片桐監督「アルコールや恋愛など色んな問題もありますが、本作は家族のディスコミュニケーションの話として意識して描きました。鑑賞後に、家族に連絡したいなと思ってくれたり家族について考えるきっかけになってくれたら嬉しいです」と語り、イベントを締めくくった。

酔うと化け物になる父がつらい

ストーリー
日曜日、夏休み、クリスマス。思い出の父はいつも酔っていた。
普段は無口で小心者なのに、酔うと“化け物”になる父と、新興宗教にハマる母。一風変わった家庭で育った主人公のサキは、“化け物“のおかしな行動に悩まされ、徐々に自分の気持ちに蓋をして過ごすようになる。自分とは正反対で明るく活発な妹や、学生時代からの親友に支えられ、家族の崩壊を漫画として笑い話に昇華しながらなんとか日々を生きるサキ。そんなある日、アルコールに溺れる父に病気が見つかってしまう―。知っているようで、何も知らなかった父のこと。サキが伝えたかった、本当の気持ちとは?

作品タイトル:『酔うと化け物になる父がつらい』
出演:松本穂香 渋川清彦
今泉佑唯 恒松祐里 濱 正悟
安藤玉恵 宇野祥平 森下能幸 星田英利 オダギリジョー
浜野謙太 ともさかりえ
原作:菊池真理子『酔うと化け物になる父がつらい』(秋田書店刊)
監督:片桐健滋
脚本:久馬 歩 片桐健滋
音楽:Soma Genda
主題歌:GOOD ON THE REEL「背中合わせ」(lawl records)
制作:MBS よしもとクリエイティブ・エージェンシー
制作プロダクション:CREDEUS
製作:吉本興業 MBS ユニバーサル ミュージック 秋田書店 VAP ファントム・フィルム
配給:ファントム・フィルム

映画公式サイト:http://youbake.official-movie.com
映画公式Twitter:@youbake_movie
映画公式Instagram:@youbake_movie
コピーライト:(C)菊池真理子/秋田書店 (C)2019 映画「酔うと化け物になる父がつらい」製作委員会

3月6日(金)新宿武蔵野館ほか全国ロードショー

 


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