【レポート】『ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ』初日舞台挨拶で田部井監督が語った「日本とムヒカ」

ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ

第40代ウルグアイ大統領ホセ・ムヒカを日本人若手監督が追ったドキュメンタリー映画『ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ』が、シネスイッチ銀座ほかにて全国順次公開中だ。
公開日の10月2日(金)には、初日舞台挨拶が開催された。

 

映画『ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ』初日舞台挨拶 概要

日時:10月2日(金)
登壇者:田部井一真監督
大島新プロデューサー(『なぜ君は総理大臣になれないのか』監督)
会場:シネスイッチ銀座

 

本作は、テレビ番組の取材でムヒカにインタビューした田部井一真監督が、その後も取材を重ね、彼の生き方や言葉に触れながらムヒカと日本の知られざる関係を紐解いていく感動のドキュメンタリー。

上映終了後、フジテレビ宮澤智アナウンサーの呼び込みと来場者の暖かい拍手に迎えられて田部井監督大島新プロデューサーが登壇し、舞台挨拶がスタート。普段はフジテレビで情報番組の編集長を務めている田部井監督は、少し緊張した様子で「冒頭から頼りない監督が出てきて心配されている方も多いと思いますが、98分間お付き合いいただきありがとうございます」と自身の初監督作を鑑賞した来場者へ感謝の思いを述べた。大ヒットロングラン公開中の映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』を監督し、本作ではプロデューサーを務めた大島プロデューサーは「監督の熱い思いに心打たれ、是非力になりたいと思い参加しました」と挨拶。

始めは「Mr.サンデー」で取材したことをきっかけにムヒカに惚れ込み、映画化にまで至った経緯について聞かれると、田部井監督は「番組の企画で、ムヒカの存在を広く伝えることはできたが、彼を消費しているようで悔しかった」と語り、「どうしてもリベンジして本当に自分がやりたい形で伝えたいという気持ちがあり、映画化に向けて動き出した」と話した。テレビと映画の両方でドキュメンタリーを制作している大島プロデューサーは、二つの違いについて聞かれると「テレビはチャンネルを変えられてしまうかもしれないという恐怖から、次々と情報を詰め込んでいく傾向にあるが、映画の場合はよっぽどのことがない限り最後まで観てくれる観客ばかりだから、より深くたっぷりと伝えることができる」と分析。

一方で田部井監督は、今春日本でも公開したエミール・クストリッツァ監督によるドキュメンタリー『世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ』や、ムヒカの投獄生活を描いたNETFLIXの劇映画「12年の長い夜」など、ムヒカの波乱万丈な人生を題材にした作品が他にもあることを踏まえ、「世界中で名だたる監督がムヒカの映画を作っている中で自分には何ができるのか考えたとき、花を介して日本と交流したということを知って心を動かされ、“日本とムヒカ”という形であれば成立すると感じた」と自身にしか映せないムヒカの一面を映し出していることを主張した。

続いて、田部井監督は実際に会ったムヒカの印象について聞かれ、「“世界でいちばん貧しい大統領”というのは名コピーだと思うが、それ以外にもあらゆる面がある」とし、「花を愛する農夫の側面、ゲリラ戦士としての面、古代の哲学者のように博識な面など多面性がありつつも、根底にある、政治家としての背骨がある体温を持った言葉は揺るぎないと感じた」と5年間取材を続けたからこそ分かる姿を明かした。

『なぜ君は総理大臣になれないのか』で国会議員の小川淳也氏を取材した大島プロデューサーは、国のリーダーとしてのムヒカについて聞かれると「このコロナの時代によって指導者の言葉・振る舞いが試され、国のトップがどういう人かというのは命に関わるということを我々は経験することになった」と述べ、「自国ファーストの指導者が増えている中、自国の人のためだけでなく、世界全体のために物事を調べているからこそ、人の心を打った」とムヒカの視野の広さを語った。

さらに田部井監督は、来日したムヒカが日本をどのように見ていたかについて「日本人がどういう道を歩んで今の文化・生活があるのかという真相を知りたがっていた」と言い、来日後には「表面的には制度化していても、根っこの部分はあり、それを日本人自身が見つめ直す必要があると言っていた」と説明した。

最後に田部井監督が「ムヒカを見ることで、自分自身を見つめ直すきっかけになり、少しでも誰かの背中を押せる作品なればいい」とした上で「僕のメッセージ以上に、まずは皆さんがどう感じたのか聞きたいので、僕に直接でも友人にでも話してくれたら嬉しい」とまとめ、大盛況の中で初日舞台挨拶は終了した。

イントロダクション
2010年から5年間、南米の小国ウルグアイの大統領を務めたムヒカは、収入の大半を寄付。公邸に住むことを拒み、愛妻と愛犬と共に小さな農場で質素な暮らしを続け、いつしか“世界でいちばん貧しい大統領”と呼ばれるようになった。また、2012年にブラジル・リオデジャネイロで開かれた国連会議でムヒカは先進国の大量消費社会を強く、しかし優しい口調で批判。その名スピーチは、たくさんの言葉に翻訳され、世界中の多くの人々に影響を与え、日本では「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」(汐文社)という絵本にもなった。

本作は、テレビ番組の取材でムヒカにインタビューした田部井一真監督が、その後も取材を重ね、彼の生き方や言葉に触れながら、ムヒカと日本の知られざる関係を紐解いていく感動のドキュメンタリー。今春、日本でも公開したエミール・クストリッツァ監督によるドキュメンタリー『世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ』や、ムヒカの投獄生活を描いたNetflixの劇映画『12年の長い夜』など、ムヒカの波乱万丈な人生を題材にした作品はいくつかある中で、日本で暮らす田部井監督は自身にしか映せないムヒカの一面を映し出している。

ストーリー
2012年、ブラジル・リオデジャネイロで開かれた国連会議にて、現代の消費社会を痛烈に批判し、人類にとっての幸せとは何かを問うたウルグアイ大統領のホセ・ムヒカ。その感動的なスピーチ動画が瞬く間に世界中で話題になったことで、田部井監督は当時ディレクターを務めていたテレビ番組で彼を取り上げることになる。ウルグアイへ渡った監督はそこで一度も日本に訪れたことのないムヒカが、日本の歴史や文化にとても詳しく、尊敬していることに驚かされる。なぜ、ムヒカは日本のことをよく知っているのか?その後もその疑問の答えを突き止める為に監督は何度もウルグアイへと渡り、大統領退任後のムヒカへの取材を重ねる。ムヒカの言葉に心を動かされた監督は多くの日本人にムヒカの言葉を聞いてほしいと願うようになり、ムヒカ自身も訪日を熱望。絵本の出版社の協力を得て、彼の来日が実現する……。

作品タイトル:『ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ』
出演:ホセ・ムヒカ、ルシア・トポランスキー
監督:田部井一真
企画・プロデュース:濱潤
プロデューサー:大島新、堀治樹
撮影:中島大樹
編集:大山幸樹
音楽:石﨑野乃
ナレーション:安藤サクラ
主題歌:「uzu」三浦透子(作曲・編曲:森山直太朗)
製作:フジテレビ、ネツゲン、関西テレビ
協力:「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」(汐文社)
2020年/日本/98分/カラー/ステレオ
配給:KADOKAWA

公式サイト:jose-mujica.com
公式Twitter:@mujica_nihonn
コピーライト:(C) 2020「ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ」製作委員会

シネスイッチ銀座ほか全国順次公開中

 

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