こころの科学「山本昌知の臨床作法」統合失調症のひろば編集部(編)塚本千秋(編集協力)日本評論社 1700円+税 本日発売です。
患者主体の精神医療を実践し、入院中心だった精神科医療を地域へと転換させるのに尽くしてきた精神科医 山本昌知先生をがっつりフォーカスしたご本です。
山本先生を知る人たちから寄せられている数々のエピソードが面白くて、
例えば、ある患者さんを措置入院させようと地域の人達が集まっている集会所に、山本先生が出向いて行ったときのこと。非難の嵐の中、「わしらは怖くて夜も眠れんのじゃ。どうしてくれる!」と地域住民に迫られた山本先生は「わかりました。では私が皆さんに睡眠薬を配ります」といい、聞いた全員がズッコケてしまったとか。
思わず頭の中に場面が浮かんで大笑いしてしまいました( *´艸`)
でも、そうやって排除運動の先頭に立つような人が、患者さんのことをわかってからは、地域で支える側に回ってくれることがよくあるそうです。
やはり「知らないから怖い」というのがあるんだろうなぁと、大笑いの後考えさせらました。
「あんなやり方、同じことができる人はいない。再現性がない。」という批判が山本先生の臨床にはあるそうですが、「こんなやり方もあるんだ」という、思わずビックリ嬉しくなり、ジーンと胸熱くなる山本先生の臨床作法を精神科医療に関心のあるみなさんと共有できれば嬉しいです。