「精神科病院に従事する人は、ホスピスでの実習を必須にしたらいい」
以前そんなことを言っていた友人から、久しぶりに手紙と本が届いた。
本のタイトルをみて、はじめに述べた友人の言葉が脳裏によみがえってきた。
本を開いて読み始めたら、思考させられる箇所が多い事に気づかされ、マーカーを手に取った。
思わずハートが熱くなる「シアトル酋長の手紙」と「直野くんからの手紙」。
この本には、「人間に大切なものとは何か?」「幸せってなんだろう?」と思考させられるキーワードが沢山ふくまれていた。
そして…読み終わったあとに「ホスピスって精神科医療に通ずるものだ」と実感。
ホスピスの思想とは、「人間が人間を”あたたかく、もてなす”という、人間同士が支え合う」そんな思想だと。
精神科医療に大切な「人薬」ともよべるのがホスピスだと思った次第。
「精神科病院に従事する人は、ホスピスでの実習を必須にしたらいい」
そういうわけで、前述した友人の言葉に、改めて納得させられたのである。
ところで、みなさんは日本におけるホスピスがどのようなものであるかってご存じでしたか?
私は「末期癌の患者が安らかに過ごす施設」というイメージで、具体的には内容を知りませんでした。
日本のホスピスの現状は以下の通りらしい。
①日本のホスピスは医療・施設としてのホスピス(緩和ケア病棟)である
②「がん」や「エイズ」の患者のみに対象が限られている(WHOー世界保健機構の定義では「生命を脅かす疾患」が 対象とされ、先進各国でも、神経難病や認知症、重度障がい児などをホスピスの対象と考えている)
③在宅ホスピスの普及、在宅と緩和ケア病棟との連携が遅れている
④市民の「死をみつめて生きる」という意識形成も遅れている
この内容を知り、「生命を脅かす疾患」がホスピス対象であって欲しいとまず思った。 認知症の患者は高齢化に伴い、これからますます増えるはずだし、在宅と病棟の連携は必要不可欠だと思う。
隈崎さんが「ホスピスケアをすべてのひとに」と100万人の署名を集めているそうなので、 私もホスピス運動に微力ながら参加しようと思っている。
隈崎行輝さんホームページ→ http://kumasaki.jimdo.com/