真夜中に沢庵

昨夜は急に酷い眠気に襲われた為、20時頃には就寝することになった

あまりに早く寝入ったせいで、真夜中1時過ぎに目が覚めてしまい…

フと思いついて、沢庵を作った

少し乾燥してしなっとなった大根を、いちょう切りして甘酢と一緒にジップロックに入れるだけで完成

真夜中、電気もつけず薄明かりの中、酢と塩と砂糖をかき混ぜている自分が妙に面白かった

沢庵、美味しくできるといいな

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(本のご紹介)

空とぶカメ

「空とぶかめ」三村雅司全詩集(京阪奈情報教育出版)

夏苅先生から届いたご本

「わぁ!綺麗な装丁!!」興奮しながら本を開くと…さおり織の中表紙が

私もさおり織が大好きなので、思わず持っているコースタ―と並べてカシャリ

さおりおり

この本は夏苅先生のご著書「人は、人を浴びて人になる」に出てくる「かめちゃん」の全詩集だ。

夏苅

(11番目の出会い『「自信を持つこと」を教えてくれた統合失調症のかめちゃん』に夏苅先生とかめちゃんの出会いが書かれている。)

本を読む際に、つい「あとがき」を最初に読んでしまうのだけれど。

「あとがき」に作家の寮美千子さんが文章を綴っていた。そこにはかめちゃんと彼女の出会いと、この本を出版するキッカケになったエピソードが書かれてあり、彼女はこの本の内容を「かめちゃんの心と体の旅の軌跡」「漂流の記録」と表現していた。

読んでみて納得。

「ぼくは本来ルンペンなんだ」と言うかめちゃんは、本当に根っからの旅人で、詩やエッセイからは様々な土地でみた風景やその土地での出来事、人との交流を大いに感じることができた。

心の赴くままに、思いつきと行き当たりばったりの旅路の中で、「保証人になってあげますよ」と見ず知らずの彼にアパートを紹介してくれる人との出会いがあったり、

乗り物に乗らずに放浪している彼を知らないおばさんが追いかけてきて「あなた、お坊さんなんでしょ」と言って「ちがいます」と答えているのに、「でも本当はお坊さんなんでしょ、私わかるんだから」と強引に食べ物をどっさりくれたり、

喫茶店で店のマスターにこたつやふとんの中古を扱っているところを尋ねたら、となりでコーヒーを飲んでいた女性が「うちにあるから、明日とりにおいでよ」と声をかけてくれて、翌日いくと朝ごはんを用意して食べさせてくれた上に、生活用品一式と荷物を運ぶ車と友人を手配してくれていた。というような、温かい人との出会いのエピソードの数々が、私にはとても魅力的に感じられた。

ちなみに、一番心に残った詩は、沖縄での暮らしを詠った「ゆいまある」と「愛楽園のおじさんとおばさんに」。ハンセン病のおじさんとおばさんとの交流がかかれているのだけれど、胸が痛くなって切なくて優しい気持ちになる詩だった。

かめちゃんはかめらしく。

私は私らしく、そう生きればよいのだと、そんなことを考えながら、優しい読後感が残る1冊でした

 

 

 

もうひとつの「ひろば」

lgbt

「統合失調症のひろば」の担当M氏とK氏が編集している「LGBTのひろば」

「ユキさん、読んでみて」と、「統合失調症のひろば」と一緒に送ってくださった。

性的少数者やその社会運動などの象徴とされる旗をレインボーフラッグというそうだけれど、表紙はそのレインボーカラー

表紙を開くと…内容はこれまた、バリエーション豊かで…ザックリこんな感じ

  • ゲイのための用語集
  • カミングアウトに関してのセキララな座談会
  • 初心者向け、出会い系サイトやネットのゲイコミュニティの使い方と使っている人の体験談
  • 出会いのためのアプリの説明と使い方
  • ゲイバーの説明と利用のしかた
  • ゲイの人たちを対象とした吹奏楽団の団長さんのインタビュー記事
  • 居場所やピアグループの活動紹介
  • トランスジェンダー男性でゲイの方のインタビュー記事
  • アナルセックスと腸内洗浄について(←すっごい真面目な内容)
  • 歯にもの着せぬというか、なんだか突き抜けた感じのする座談会「不幸も面白い人生のエピソード」

座談会にインタビュー、コラムには、切ない恋の思い出や、親から理解されないとか、差別を受けたエピソードなどの話もあり、それらはフォーカスして考えると重いテーマのはずなのに、サラッと語られているので重くならずに読むことができた。あと、間に箸休め的に挟まれる4コマが愉しい。

若い頃、小説家さんの集まりで新宿2丁目のゲイバーに連れて行ってもらったことがある。

一緒のテーブルに座ったゲイバーのスタッフに「あなた、なんかマネキンみたいね」と言われたので、「マジで~(笑)それって生気がない奴ってこと?」と聞くと、「違うわよ!褒めてんのよ?」と返されて「褒められてる気がしない(笑)」と大笑いした思い出がある。

この本を読んだせいか、そんな懐かしいワンシーンを思い出した。

最後に…編集後記の城戸健太郎さんの言葉を、一部紹介したい。

自分へのカミングアウトで悩まれている方へ

「普通ではいられない」「自分だけかもしれない」「周りに嫌われてしまう」「親に申し訳ない」などの不安な想いがあふれているかも知れません。でもね大事にするべきなのは あなたが心から笑える日々だとぼくは感じます。無理をして家族や周りにカミングアウトする必要はありません。

だけどね ご自分の気持ちには素直でいてください。たくさんの人がいて同じ生き方の人なんて誰も居なくて みんな違うことが当たり前だと想います。どうかゆっくりゆっくり自分の息の出来る居場所を探してみてくださいね。何処かに あなたが怯えす笑える場所は絶対にあります。

ご家族やご友人からのカミングアウトで悩まれている方へ

時として 突然のお話しで驚かれてしまったり 将来の不安で悩まれておられる方もいるとは思うのですが どうかそのご本人には今までと変わらない関係を続けてください。マイノリティを抱えられていたとしても カミングアウトしたことによって 今までのあなたの知っているご本人の心が変わるわけではありません。できることなら 不安や心配に目を向けられる前に 勇気をもって打ち明けられたご本人のお気持ちに目を向けてあげて下さい。カミングアウトとは あなたを信頼して心を開くという証です。

ご本人もご家族もご友人も 誰もが傷つかないことを願います。

 

 

はじめてのポップコーン作り

先日スーパーでポップコーン用のコーンが売っているのを見て、なんとなく買ってしまった

昔、じいちゃんの家の庭で飼っている鶏に餌として与えていたトウモロコシみたいな乾燥コーン ふぅむ、普段サラダにトッピングするコーンとは、違う種類のコーンだと今日初めて知った。

恐る恐る、説明書通りにフライパンにバターをしいて、コーンをカランカランと投入

「タキさん、まさかコーンの圧でガラス蓋がはじけたりしないよねぇ?」

「そんなに物凄いはじけ方しないよ~」と近寄ってきた彼。

「ちょ、それコーン入れすぎじゃない?」

「え?そうなの?まったく分量わからないから、袋半分だけいれたんだけど…。バターしいちゃったから湿ってもう戻せないよ

しかたないので、そのまま蓋をして火をつけた

2分ほどで、ポンと可愛い音がして、ポップコーンが白くはじけた

ポップコーン

B6サイズの袋の半分で、なんとこれだけの量ができた一袋170円くらいだったので、物凄くお得な気がした。できたてはホワホワ温かくて美味しいし、これからはポップコーンは家で作ろうかと思ってしまった

在宅の友

 自宅で過ごす時間が増えて、本がすっかり在宅の友となっている。
「統合失調症のひろば」最新号を読み終えた。

ひろばと精神

今号ではなんと、私と同じく精神障害者の親をもつ「子ども」の立場の方の原稿が、私を含めて4人も掲載されていた。(以下タイトル)

 

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●「助けて…」のその後で  かにゃんこ(学生)
●あなたは誰ですか、何ですか(A面) かわかみしんたろう(精神科医)
●母が統合失調症であることのカミングアウト 瀬良垣りんじろう (55歳のおっさん)
●「夫の身内へのカミングアウト」 中村ユキ
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「子ども」の立場の原稿がこんなに一度に掲載されたのは、創刊以来初めてかもしれない。
 発症した親の言動や周囲の様子など、自分と重なる場面や、もっと大変な様子などが書かれていて、「あぁ、そうそう。うちも、そういうことあったな~」なんて、思い出しながら読んだ。

 

 中学生の時に大いにハマったマンガ。「ぼくの地球を守って」(白泉社・日渡早紀著)の中では、地球とは違う星での前世の記憶を持つキャラクターたちが集まり、その中のひとりの記憶(エピソード)をもとに、それぞれが欠けていた記憶を思い出し発展させていくことを「同調連鎖」と言っていたけれど…。
 私も他の子供の体験から、「同調連鎖」が起こる。
 「そういえば…」と忘れていた記憶を掘り起こす作業は、けっこう新鮮な驚きがあったりして嬉しい。それが悲しい記憶だとしても、やはり私は思い出したい。
 家族の立場では「親」「きょうだい」がこれまで体験を語ることが多かったので、「子ども」や「配偶者」など、色々な視点の体験談が今後も増えていくと良いなと思う。

 

 当事者、家族、精神医療従事者だけではなく、毎回バリエーション豊かな執筆者の記事が掲載されるこの雑誌だが、今号では酒造りを生業とする杜氏の原稿「自分を殺す」や、沖縄のユタを訪ねる内容の里中さんの原稿、不倫相手がだんだんと精神的に病んでストーカー化していく状況を描いた探偵社の重川さんの原稿などが掲載されている。

 

そして、

 

「主体性の回復をめざす」映画「精神」「精神0」からみた山本昌知医師 と題して、想田和弘監督の原稿も掲載されている。

 

 想田監督といえば、今年5月から新作映画「精神0」の、日本での劇場公開が始まる予定だったが、新型コロナの影響でやむなく新しい形(仮設の映画館・オンライン配信)での公開に踏み切るらしい。

 

詳細と監督のメッセージはコチラ→仮設の映画館
インタビュー記事はコチラ→想田監督インタビュー

 

 じつは、2月にブログでご紹介していた、コロナのせいで中止になったイベント演劇「精神病院つばき荘」について語り合うトークショーに出演される予定だったのが、「精神0」で描かれている主人公で、演劇「精神科病院つばき荘」を観る会の代表でもある山本昌知先生だ。

 

 本当は5月、「つばき荘」と「精神0」を合わせて一緒に盛り上げたい気持ちでいたけれど、残念ながら「つばき荘」も延期なので、まずは「精神0」をオンラインで観るのを楽しみにしている。

 

「精神病院つばき荘」はコロナ終息の見通しがついたら、実現すべく動き出すそうなので、その際にはまたご報告したいと思っている。

 

 今号の特集は「カミングアウト」と「急がない治療」だったが、「急がない治療」関連で、オススメなのがこの1冊!
急性期治療を再考する
「急性期治療を再考する」

 

 久しぶりに読み返してみたが、沖縄のオリブ山病院のナースの「急性期の関わり」についての座談会と、都立松沢病院の精神科医と看護師たちによる、病棟でのダメダメ(禁止)を、ダメモトからOKに改革していく過程の座談会が何度読んでも興味深い。

 

 あと、この本には「電気けいれん療法」に関しての原稿も4本掲載されている。

 

●電気けいれん療法について思うことーつむがれる「時」を求めて(松本葉子)
●私の看護師・患者の経験から拘束・隔離・電気ショック療法を考える(大津木直子)
 ●論文「電気けいれん療法をめぐる噛み合わない議論」吉村夕里
●論文「精神医療論争~電気ショックをめぐる攻防~」吉村夕里

 

 じつは、ここのところクロザピン治療と電気けいれん療法について、聞かれることが続いたので、私も改めてクロザピン治療と電気けいれん療法について気になって読み直してみた次第。

 

 クロザピン治療に関しては、「統合失調症のひろば」に掲載されたものが以下の記事だ。

 

NO.5(2015年春号)
「クロザピンは適切に使われているか」大下隆司(精神科医)
NO.8(2016年秋号)
「クロザピンと電気けいれん療法と世に棲む患者」野田哲朗(精神科医)
 ひろばひろば

 

  関心のある方は、是非読んでみて欲しい。