「精神科医の診察能力・態度・コミュニケーション能力についてのアンケート」ご協力のお願い

みなさんは、精神科の診察室で、医師に緊張することなく本音を伝える事ができていますか?

母は主治医がたくさん変わりましたが、私が緊張せず妙な気遣いをせずに話せたのは、振り返ってみると2人の主治医だけでした。

「症状を伝えると、薬が増えるから言えない」。かつて母が言った言葉。

  「この薬を試してみたいんですけど…」

副作用が酷く症状も落ち着かないため、必死に調べて相談してみると「素人が何いってんだ?」というような 空気を感じる眼差しをむけられて、萎縮して次の言葉が出てこなかったことも。

もちろん、直接そのような言葉を言われたわけではありませんので 、今思うと医師がこの時何を思っていたのかは、わからないのです。ただ、威圧感を感じたのは確かで、私のなかでは医師からのパワーハラスメントの体験となっています。

「主治医に対等に物言える雰囲気があるか?」

再度問い直せば、精神科以外でも上記のような場面を経験してきましたが 治療に終わりが見えない精神科では、「今だけなんとかやり過ごせばいい」と思えない長期に続く不安感がありました。

明日の診察で医師の気分を損ねないような言い回しでどのように伝えるか、前日にシナリオを書き ダイレクトに1回で伝えれば良いのに、診察3回でようやくひとつの相談を伝えるという事もありました。

家族会で講師の精神科医に、主治医に言えない相談をされる人がたくさんいて、私だけではないのだと知りました。 当事者の竹内さんが「統合失調症」(医学書院刊)という専門書の中で、「メンタルヘルスのカースト制度」と題して、精神医療の世界を 医師を頂点としたピラミッドで論じる原稿を読み、「うまいこというなぁ」と思わず手をたたいたくらい、医師との関係は対等ではない気持ちが強いのです。

でも、そんな私ですが対等に付き合える・率直にものがいえる医療関係者や支援者との出会いにより、家族として反省したことがあります。

「嫌な経験の方が多かったからって、次の出会いもダメだなんて決めつけずに、歩み寄る努力を全力でしておけばよかった」と。

こちらの動き方や接し方(伝え方)次第で、相手も変わる事があると知ったし、母の最後の9ヶ月の治療の期間には、 家族や患者が医療関係者と話し合える場が、今の制度では圧倒的に少なすぎると改めて感じたからです。しっかり意見交換することで、将来への不安感が軽減されるとも実感させられました。

夏苅郁子先生は、母親が統合失調症の児童精神科医です。 こちらのサイトに先生からの挨拶が掲載されていますので、ご覧ください。

夏苅先生が行われる今回の「精神科医の診察能力・態度・コミュニケーション能力についての アンケート」は、「患者と家族」が「医師の接遇や能力」に対して、どう感じているのか?を明らかにし、 集計・分析後は夏苅先生が学会発表や論文などで、精神科医たちにその内容を伝えてくださるそうです。

私は患者と家族の誰しもが、緊張せずに本音で医療関係者と治療にたいして意見出しあえるようになればと願っています。

「こんな言葉や態度は、こんなふうに受け取られていたのか?」

医師達に知ってもらう事で、診察室の空気がやわらかくなるかもしれない。精神科診察の質の向上のための一歩となるよう、アンケートにご協力ください。

※WEBでのアンケートは6月1日からだそうです。